水墨画を単純に感じてみましょう。
日本の水墨画にも脈々と続く伝統と歴史があります。
元々は中国から伝わった水墨画ですが、多くの先人たちの努力と創意工夫で
独自の進化と発展を遂げたものになっています。
今現在ある日本水墨画はその過去の先輩方の成果なんです。
少し話が飛びますが、先日、テレビのニュースで大手商社が史上空前の大利益を
あげていると報じられました。その折に、三菱商事の社長が、今、大きな利益を
生んだ最大の理由は、10年、20年前の先輩たちが蒔いた資源に関する
利権獲得や、鉱山開発などの成果が、現在になって実ったおかげであって、
今の会社の我々の成果ではない、私たちはこれから先、10年、20年先の
日本や会社のために、将来を見据えた再投資を考えなければならない。とっ、
言ったような発言をされました。
現在は過去から未来への橋渡し役であることを、正にはっきりと述べられました。
このような考え方は、当たり前のようでいて、なかなか出来ないものです。
全ての成果は自分のものである!といった現代的な考え方が体勢を占める中、
この社長の器量の大きさに感銘を受けました。
私もただ、今を描くだけでなく、日本水墨画の芸術性の向上と、次世代へと繋ぐ
発展の種を蒔くことが出来るように頑張りたいと思います。
芸術、とりわけ水墨画を習う、描くといっても色々なアプローチがあります。
自分1人で描くのを楽しむ、家族や友人などに見てもらって楽しむ、
展覧会などに出品して楽しむ、人に教えることが出来るように頑張る、
自分自身の個性を伸ばすように研究する、などなどです。
どれにしても、過去からの成果や、伝統を使っているわけで、謙虚に先人の方々に
感謝しながら、日本独自の水墨画の特徴を楽しみながら描きたいものです。