西浦光洋プロのご紹介
大阪から世界へ。日本の水墨画の魅力と技術を伝える水墨画家(1/3)
伝道師のごとく、各地で水墨画教室を開催
近年、日本に訪れる外国人の数は増加。マンガやアニメといったサブカルチャーにとどまらず、日本の歴史や文化も海外から注目され関心を集めています。そんな中、「日本の伝統的な水墨画を世界に発信したい」との思いで、大阪を拠点に活動しているのが西浦光洋さん。「関西水墨画界の奇才」とも呼ばれた矢野鉄山(やの てつざん)氏の流れを汲(く)む日本伝統水墨画家です。
「水墨画は主に鎌倉時代から室町時代に中国から伝わりましたが、その後は日本で独自に発達しました。日本の風土になじんだ“癒やし”を感じられる作品が多いのが特徴で、日本人の感性で磨き上げられた水墨画は、上品な味わいがあります。しかし、一般的には日本の水墨画も中国の水墨画も一様に見られているように思います」と西浦さん。
日本水墨画の魅力を伝えるために、各地で教室を開催。その姿はまるで伝道師のごとく。教え子の数は、これまでに延べ4000人を超えるといいます。
「水墨画は古くから知的な遊びとして、大阪では商人を中心に愛されてきました。繊細で美しい作品が並びますが、基本的に描き方に制限はありません。墨の濃淡だけでモノトーンで描くも良し、黒を基調に鮮やかな色を加えるも良し。生徒さんには、描きたいものを水墨画として表現していただいています」
中には、イスラム寺院やヨーロッパのレンガ造りの建物などを描く人もいるそう。「日本の風景は言うまでもなく、水墨画は海外の建造物を描くのにも適しています」と西浦さん。絵の題材だけでなく、色紙やハガキ、短冊、扇面、掛け軸と画材も豊富にあることが魅力で、多くの人が西浦さんの下で創作活動を行っています。
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