屋根材セメント瓦について
近年、環境への配慮やエネルギー費用の削減を目的として、多くの戸建て住宅に太陽光パネルが設置されています。しかし、太陽光パネルが設置されていても、屋根の塗装は必要不可欠です。本記事では、太陽光パネルが設置された屋根の塗装について、その必要性や方法、注意点などを解説します。
屋根塗装が必要な理由
■紫外線による劣化
太陽光パネルが設置されていない部分の屋根は、依然として紫外線にさらされ続けます。これにより、屋根材の劣化が進行します。
■雨水の浸透防止
劣化した屋根材は雨水を吸収しやすくなり、屋根の強度低下や雨漏りのリスクが高まります。
■屋根全体の保護
屋根全体を塗装することで、高い防水性能を維持することができます。
■住宅の寿命延長
定期的な屋根塗装は、住宅全体の寿命を延ばすことにつながります。
工事パターン
太陽光パネルが設置された屋根の塗装には、主に以下の3つのパターンがあります。
パネルが設置されていない部分のみ塗装
このパターンは、太陽光パネルを取り外さずに、露出している屋根部分のみを塗装する方法です。メリットとしては、「費用が比較的安い」「工期が短い」「パネルの取り外しリスクがない」ことです。逆にデメリットは、「パネル下の屋根部分が塗装されない」ということです。
パターン①で施工がおすすめなのは、築10〜15年程度で初めての塗装を行う場合、太陽光パネルを設置してまもない場合、工事費用を押えたい抑えたい場合に適しています。
パネルを一時的に取り外して全面塗装
このパターンは、太陽光パネルを一時的に取り外し、屋根全体を塗装した後、再度パネルを設置します。メリットとしては、「屋根全体を均一に塗装できる」「パネル下の屋根状態も確認できる」ことです。逆にデメリットは、「パネルの取り外し・再設置にコストと時間がかかる」「パネル破損のリスクがある」ということです。特に経年している場合は破損のリスクが高いため年数が経った太陽光だと壊れやすいので、太陽光パネルの設置業者に脱着を依頼するなど注意が必要です。
パターン②で施工がおすすめなのは、屋根全体の状態を確認し屋根にトラブルがないか点検をしたい場合や、パネル下の屋根部分も含めて塗装したい場合に適しています。
パネルを完全に撤去して塗装
このパターンは、太陽光パネルを完全に撤去し、屋根全体を塗装する方法です。
メリットとしては、「屋根全体を自由に塗装できる」「屋根の状態を詳細に確認できる」ことです。逆にデメリットは、「太陽光発電システムが使用できなくなる」「撤去・処分費用がかかる」ことです。
パターン③で施工がおすすめなのは、太陽光パネルの撤去を検討している場合、パネル設置後20年程度経過している場合に適しています。
屋根塗装時の注意点
■太陽光パネルを踏まない
作業中にパネルを踏むと、表面のガラスが割れたり、内部に損傷を与えたりする可能性があります。作業者には必ず「パネルに乗らないでください」と伝えておきましょう。
■太陽光パネルは高圧洗浄しない
高圧洗浄機の使用は、パネルに傷をつける可能性があります。パネルの洗浄が必要な場合は、専用の洗剤を使用するか、低圧での洗浄を行うようにしましょう。
■施工前に屋根の状態を確認する
塗装前に屋根の状態を確認することが重要です。特に築20年以上塗装をしていない場合や、築30年以上経過している場合、屋根から雨漏りが発生している場合は、塗装以外の対策が必要になる可能性がありす。
これらの場合、カバー工法(重ね葺き)や葺き替え工事を検討する必要があるかもしれません。
■適切な塗料の選択
太陽光パネルが設置された屋根に適した塗料を選択することが重要です。耐久性が高く、反射率の低い塗料を選ぶことで、パネルの発電効率に影響を与えずに屋根を保護することができます。
■専門業者への依頼
太陽光パネルが設置された屋根の塗装は、通常の屋根塗装よりも複雑な作業となります。経験豊富な専門業者に依頼することで、安全かつ効果的な塗装を行うことができます。
太陽光パネル設置屋根の塗装費用
太陽光パネルが設置された屋根の塗装費用は、通常の屋根塗装よりも高くなる傾向があります。これは、パネルの取り扱いに注意が必要で、作業が複雑になるためです。
一般的な費用の目安(その他足場設置代など別途費用が必要になります)
・パネルが設置されていない部分のみ塗装:15〜25万円
・パネルを一時的に取り外して全面塗装:30〜50万円
・パネルを完全に撤去して塗装:50〜80万円(パネル撤去費用込み)
ただし、これらの費用は屋根の大きさ、パネルの数、屋根の状態などによって大きく変動します。正確な費用は、専門業者による現地調査と見積もりが必要です。
太陽光パネル設置屋根の塗装時期
太陽光パネルが設置された屋根の塗装時期は、以下の要因を考慮して決定します。
■屋根材の種類
スレート屋根は10〜15年、金属屋根は5〜10年程度で塗装が必要になることが多いです。
■前回の塗装からの経過年数
一般的に7〜10年程度で再塗装を検討します。
■屋根の状態
劣化や損傷が見られる場合は、早めの塗装が推奨されます。
■太陽光パネルの設置時期
パネル設置前に塗装を行っていない場合、設置後5年程度で塗装を検討するのが良いでしょう。
■気候条件
海岸部や寒冷地など、厳しい気候条件下では、塗装の周期が短くなる傾向があります。
まとめ
太陽光パネルを設置している屋根の塗装は、適切なプロセスと専門家の支援を得ることで、安全かつ効果的に行うことができます。この記事で紹介したポイントを参考に、定期的なメンテナンスを行い、太陽光発電システムの効果を最大限に引き出してください 。