ウレタン防水とは

林照剛

林照剛

テーマ:外壁塗装の豆知識

ウレタン防水とは、建物の屋根やバルコニーの防水対策として広く利用されている工法です。液体状のウレタン樹脂を塗布することで防水層を形成し、長期間にわたり防水性能を維持します。本記事では、ウレタン防水の基本からその特性、メリット・デメリット、施工の注意点やメンテナンス方法について解説します。



防水の必要性

建物にとって防水は非常に重要な役割を果たします。防水対策が不十分だと、雨水や湿気が建物内部に浸入し、構造体の腐食や劣化を引き起こします。また、シロアリの食害も懸念されます。特に日本は降水量が多いため、防水対策は欠かせません。

ウレタン防水とは

ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。ウレタン樹脂は硬化すると柔軟な防水膜を作り、建物の動きに追従する特性があります。このため、ひび割れしにくく、長期間にわたり防水性能を維持することが可能です。また、ウレタン防水の最大の特徴は液状であるため形状に関わらず塗布できる点です。これにより、複雑な形状や狭い場所でも均一に防水層を形成することができ、継ぎ目のない一体化した防水層を形成できる点が特徴です。

ウレタン防水の特性

柔軟性と耐久性

ウレタン樹脂は弾力性が高く、温度変化や建物の揺れにも対応できるため、ひび割れしにくいです。

継ぎ目のない防水層

液体状のウレタン樹脂を塗布するため、継ぎ目のない一体化した防水層を形成します。これにより、漏水のリスクが低減されます。

軽量で施工が容易

他の防水工法に比べて材料が軽く、施工も比較的簡単です。複雑な形状の部位にも対応しやすいです。


ウレタン防水のメリットとデメリット

メリット

柔軟性
建物の動きに追従するため、ひび割れが生じにくいです。

一体化した防水層
継ぎ目がないため、漏水のリスクが低くなります。

軽量で施工が簡単
他の防水工法に比べて軽量であり、複雑な形状の部位にも対応可能です。

補修が容易
防水層にダメージがあった場合でも、部分的な補修が比較的容易です。

デメリット

施工環境の影響
気温や湿度に影響を受けやすいため、施工時期や天候の管理が重要です。

メンテナンスが必要
長期間にわたり防水性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが必要です。トップコートの再塗装や部分的な補修を行うことで、防水層の劣化を防ぎます。

施工技術が必要
ウレタン防水は専門知識と技術を必要とするため、信頼できる施工業者に依頼することが重要です。

ウレタン防水の注意点

ウレタン樹脂は気温や湿度に影響を受けやすいため、施工時期や天候の管理が重要であり、適切な施工条件が整っていない場合、防水性能が低下する可能性があります。また、防水層を塗布する前には下地の汚れやほこりをしっかりと除去し、凹凸を平滑にすることが重要です。下地処理が不十分だと防水層の密着性が低下し、漏水の原因となります。さらに、ウレタン防水の防水性能を長期間維持するためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。特に、紫外線や摩耗から防水層を保護するためにトップコートの再塗装や部分的な補修を行うことで、防水層の劣化を防ぎます。

まとめ

ウレタン防水は、柔軟性と耐久性に優れた防水工法であり、ビルやマンションの屋上、バルコニー、ベランダなどで広く利用されています。施工が比較的簡単である一方、気温や湿度の管理が必要であり、定期的なメンテナンスも欠かせません。防水性能を長期間維持するためには、信頼できる施工業者に依頼することが重要です。防水工事を検討する際は、ウレタン防水の特性と施工の注意点を十分に理解した上で、適切な施工とメンテナンスを行うことが求められます。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

林照剛
専門家

林照剛(1級建築施工管理技士)

株式会社ラディエント

遮熱・断熱塗装のほか、ひび割れなどに強い特殊塗装によるリフォームで省エネ(節電)を実現し、快適空間を創造します。特殊塗装に慣れた職人の丁寧な作業は、お客様から高い評価を得ています

林照剛プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

屋根・外壁塗装、雨漏りに強いリフォームの専門家

林照剛プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼