雨樋の役割
瓦屋根のメンテナンスが必要となる状況として、漆喰(しっくい)の劣化があります。
漆喰とはどのようなものか、役割や、メンテナンスが必要な目安について解説していきます。
瓦屋根の漆喰とは
漆喰は、瓦屋根の頂部の棟(むね)の土台部分に使用されている白い溶剤です。
主に石灰を基材として、麻などの植物繊維や海草を混ぜて作られおり、塗料や接着剤の役割として使用されています。瓦屋根での使用目的は、瓦の間の隙間を埋めて防水や固定を行うためです。
漆喰の役割
防水性
瓦同士の隙間や棟部分の隙間を塗り固めることで、雨水の浸入を防ぎます。
固定作用
瓦のズレを防ぎ、強風や地震の際に瓦が動かないように固定します。
耐久年数
漆喰は時間が経つとともに徐々に硬くなる性質があり、その状態で雨風に晒され、気温が激しく変化する環境に置かれることでひび割れなどが起こってしまいます。
一般的に漆喰の耐用年数は10年から20年程度とされていますが、気候や使用される漆喰の種類、施工品質によって異なります。
劣化の目安
● 漆喰がひび割れている
● 漆喰の表面が粉っぽくなっている
● 漆喰が剥がれて落ちてきている
● 瓦が動く、またはズレている
● 雨漏りが発生している
メンテナンス方法
点検
まず、屋根の状態を確認します。
漆喰のひび割れ、剥がれ、粉を吹いている部分などを特に注意深く確認します。
この点検は、安全のために適切な安全装備を身につけ、または専門家に依頼することをおすすめします。
清掃
屋根瓦を柔らかいブラシで軽くこすり、汚れや苔を取り除きます。
漆喰の劣化部分を特定し、その周辺の瓦や汚れをきれいにします。
劣化した漆喰の除去
ヘラやスクレーパーを使って、劣化した漆喰を丁寧に取り除きます。
このとき、隣接する健全な漆喰や瓦を傷つけないよう注意が必要です。
新しい漆喰の塗布
除去した部分に新しい漆喰を塗布します。この際、しっかりと隙間を埋めるように、均一に塗布することが大切です。
漆喰は均一に伸ばすことで、最も強固な状態になります。
乾燥
塗布した漆喰を十分に乾燥させます。乾燥時間は漆喰の種類や気温、湿度などによりますが、数日は乾燥を待つのが一般的です。
最終確認
乾燥後、再度屋根の状態を確認します。漆喰がしっかり固定され、隙間なく塗布されているかを確認します。
漆喰のメンテナンスを自分でおこなうと、補修が正しくできなかった場合に、劣化を早めてしまうおそれがあります。特定の技術や知識が求められるため、専門の職人や業者に依頼することを推奨します。特に、高所作業となるため安全面でもプロに依頼するのが良いでしょう。