相続の専門家
松岡敏行
Mybestpro Interview
相続の専門家
松岡敏行
#chapter1
近鉄大阪線八尾駅から南東に15分ほど歩くと、3階建てでしゃれた外観の「松岡会計事務所」があります。税理士の松岡敏行さんの父、成幸さんが37年前に開業。今や所員数35人、顧問先数1000件まで成長させ、南大阪で有数の会計事務所に育て上げました。
松岡さんは、事務所では副所長兼税理士として相続を担当しています。
親の死去などによって突然、相続税の問題に直面する遺族。多くの人は、税法など詳しく知りませんから、巨額の相続税を払うために先祖伝来の土地や家屋敷を手放すケースもあります。
その前に、土地の評価を見直したり、相続人ごとの税額控除を計算したりすることで税額はかなり変わってくるのです。松岡さんは「税制にはさまざまな税額の減免の規定がありますから、まず専門家の税理士に相談してほしい」と訴えています。
実務を受け持ってから8年になりますが、すでに申告した相続の件数が150件以上、相談件数は700件にもなります。大阪に広くネットワークを持ち、扱い件数の多い松岡会計事務所ならではの実績です。
「税理士には、知識と経験値の両方が必要ですが、経験値の点では恵まれていると思います。それまで勉強してきたことと、実際にやることには大きな違いがありますが、経験を積み重ねることで度胸もついてきて、自信を持って対処できるようになりました」。まだ34歳の若さながら、「相続のプロ」としての自負は十分持っています。
#chapter2
お父さんの元で、後継者としてその道一筋に歩んだのかと思いきや
「実はマンガ家になりたかったんですよ」
と、意外な横顔を語ります。
「ちょっとしたまわり道も経験したせいで、難関の税理士試験に合格するのに7年かかり、最後に取得した1科目が『相続税』でした。長く勉強したこともあって、相続に特化することになりました」と、ユーモアをまじえて話します。
そんな松岡さんに、出版社から意外な話が持ち込まれました。
相続の実務本は堅苦しく読みづらいので、その欠点をマンガにすることでカバーできないかという依頼です。二つ返事で引き受けた後、出勤前にコツコツ書きため、目の下にクマを作りながら半年間で約120ページを仕上げました。
難しい話を平易にするため、マンガの後に内容に対応する実務解説を入れました。また2015年1月1日から適用される相続税制改正の理解を深めてもらうよう改正以降の相続を描く近未来マンガとしました。ようやく、できあがったのがマンガ「突然の相続!――その時、あなたは…」(清文社、定価1620円)。日本で初の税理士が自ら描いたマンガ版の相続の本として今年1月14日に出版、一般書店にも置かれて売れ行きも好調です。
ご本人は「マンガ家になりたかったという夢の一端はかないました。内容的にも自分が体験したリアルな話、面白い話を盛り込めたと思っています」と喜びます。「ただ、うちの子供がお父さんの仕事はマンガ家じゃないかと思っているようで」と苦笑しています。
#chapter3
この出版が契機になって、ラジオ大阪の番組「高岡美樹のべっぴんラジオ」に2月18日、マンガを描ける税理士としてゲスト出演。それ以前に「相続の専門医」として、ABCラジオやラジオ関西に出演したこともあり、今回も生放送でしたが、リラックスしておしゃべりできたそうです。
税理士4人を含め、現在のスタッフが35人と大所帯の松岡会計事務所ですが、多忙な中でも毎朝8時半から30分間スタッフが集まって最新の税法等を学びあい、研さんに努めています。
「我々の商品は製造業とは違って、知識しかありません。来年1月からは相続税制が変わるなど、税法も日々変わっていきますし、それに対処するには勉強していくしかありません」と、謙虚ながら日々の精進を怠らない姿勢を見せます。
現在、父を補佐する副所長ですが、事務所の将来像を聞くと「スタッフが仕事にやりがいを持てるような環境づくりを進めたいです。いろんな新しいことにもチャレンジしたいと思っていて、自分も事務所もネットワークももっと広げたいですね」と、若手後継者らしいやる気満々の答えが返ってきました。
(取材年月:2014年4月)
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Profile
相続の専門家
松岡敏行プロ
税理士
税理士法人 松岡会計事務所
税理士の父が起こし、所員数35人にまで育てた松岡会計事務所の後継者として相続を担当。150件以上の相続の申告を行うかたわら、自ら書き下ろしたマンガ「突然の相続」を出版、相続の実務を分かりやすく説明
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