雨漏りの原因になるシーリングの痛みや劣化の補修時期やDIYの施工手順
ここではサイディングの最も大事なシーリングの施工方法について書いて行きたいと思います。
(シーリングとコーキングははぼ同義語なので、ここではシーリングで統一しています。)
シーリングの2面接着と3面接着の違い
当社の塗り替え工事の中でも圧倒的に多い、サイディング外壁の塗り替え時に行うシーリングの改修工事につてです。
サイディングのつなぎ目やサッシ廻り、入り隅、軒天井の取り合いなどに施工せれているシーリングの施工は水密性や防水性、気密性などを確保する目的で施工せれている大変重要な施工工程になります。
下の写真はサイディング外壁の構造です。透湿性防水シート裏にある柱に胴縁を打ち、胴縁の上に施工されている金属がハットジョイナーです。ハットジョイナーの凸部に貼り付けてある青いテープがボンドブレーカーです。
築年数が10年を超えたサイディングのシールは経年劣化で剥離や痩せ、欠落など様々な不具合が現れます。特にワーキングジョイントで動きの激しいサイディング目地は、必ず2面接着で改修する必要があります。
2面接着と3面接着の違いは、文字通りシールが2面に接着しているか、3面に接着しているかの違いだけなんですが、施工後のシール部分に大きな違いが出てきます。
下の写真は2面接着で施工されたサイディング外壁目地部のシーリングの断面図です。ハットジョイナーに貼り付けられたボンドブレーカーがあるので、サイディングが左右に動いたとしても、シーリングもその動きに追随して左右に動くことで、シーリングが切れる事はありません。(ボンドブレーカーにはシーリングは密着しない)
それに比べて下の断面図のように3面接着の場合、サイディングが左右に動いた場合、ボンドブレーカーが無いので、シーリングが目地底に密着してしまい、サイディングの動きに追随出来なくなり、左右どちらかの目地が剥離してしまいます。
2面接着で施工されていれば、サイディングの伸縮や建物のねじれなどの歪などにもシーリングは自由に追随しシールの破断や剥離などの不具合が起きにくいのですが、3面接着で仕上げた場合、早期にシーリングの不具合が発生する可能性が高くなります。
以上の事から、サイディング目地の改修時のシーリング工事は、2面接着で仕上げるのが基本になります。当然新築時には2面接着で仕上げているので、外壁塗装時の改修でどのような所を気を付けて施工するのか、当社で実際に施工してる写真を使って説明していきます。
サイディングのシーリング改修工事
下の写真は外壁塗装工事前のサイディング外壁です。
西日が強く、サイディング目地のシーリングが欠落し、2面接着に必須なボンドブレーカーまで剥離しています。
このように経年劣化から、施工前にすでにボンドブレーカーが剥がれ落ちてしまっている場合があります。
下の写真はサイディング目地のシーリングを撤去した時の写真です。目地のシーリングは基本古いシールを撤去し、新しく打ち替えて施工するのですが、古いシール撤去時にボンドブレーカーまで剥離してしまう事があります。
このように様々な事由により、ボンドブレーカーが剥離している場合があります。
このような場合、シーリングの施工前に必ずボンドブレーカーを貼りつけてから次の工程に移り、必ず3面接着にならないように施工します。
ほんの少しの手間ですが、この工程を手抜きすると最初にも書いたように気密性や水密性を目的としているシーリングの早期の不具合につながり、最悪の場合雨漏りにも発展する場合があります。
シーリングの施工については、下の動画もぜひご参考にしてください。