漆喰の外壁は汚れにくいだけじゃない、他にもメリットが!
外壁タイルに付着する黒い汚れの正体とは…?
また白い汚れもよく見かけます。これらの外壁タイルに付いた汚れの原因を解説します。また、汚れの除去方法について、おすすめの洗剤や注意点をご紹介します。
外壁タイルの黒ずみの原因とは?
タイル貼りの住宅は、高級感があり洗練されたイメージやスタイリッシュな雰囲気を演出できます。外壁にタイルを使用したマイホームに憧れる方は多いようです。
タイルの原材料は土や石などの天然素材で、耐候性に優れ、強い日差しや風雨の過酷な環境でも劣化しにくいという特性があります。
それだけに価格も高くなりますが、外壁全部ではなく、部分的に使用することで、デザインのグレード感を高めることも可能です。
ただし、月日が経つと、気になってくるのがタイルの黒ずみや目地の汚れでしょう。
タイルで工夫を凝らした外壁が黒ずんでしまったら、せっかくの風格もなくなってしまいます。汚れがひどくなる前に手を打ちましょう。
外壁タイルの洗浄方法
では、まず外壁タイルの汚れの原因や洗浄方法について解説していきます。
外壁タイルの汚れは、埃、排気ガス、煤煙などの汚れが壁面に付着し、雨水の流れに沿ってできてしまいます。
通常、水洗いや拭き取りのみで除去できますが、排気ガスなどの油性成分を含む汚れの場合は、中性洗浄などを併用して洗浄してください。
また、サッシまわりなどのシリコーンシーリング材に含まれる低分子量成分が雨水などによって周辺に広がり、大気中のホコリが付着して汚れとなることもあります。
こちらも洗浄は中性洗剤でこすり洗いすることで除去できますが、またすぐに汚れが再発してしまいます。こまめなケアが必要でしょう。
外壁タイルの白い汚れの原因とは?
外壁タイルをはじめ門柱に張ったタイルが、白く汚れているのは白華現象(エフロレッセンス)といいます。
これは、モルタルやコンクリートの硬化反応により起こると考えられています。
外壁タイルの目地部分から発生し、タイルを覆うように白く付着しているものを「鼻たれ」と、ユニークな名前で呼んでいます。
この現象は、外部からタイル内部に水が侵入すると発生し、主成分は炭酸カルシウムです。1度、発生すると、水の侵入口を塞がない限りは止まりません。
タイル施工時に裏面にも隙間がないよう、充分な注意が必要です。
「鼻たれ」の除去方法として、こびりついている塗装をキレイにこすり落とす「ケレンがけ」という処理を行い、2~3%の塩酸溶液で洗うと良いでしょう。
また、レンガやタイルの表面が白く粉が吹いているものを「粉吹き」と呼んでいます。
無釉で吸水性と透水性のあるタイルに発生し、タイル裏面のモルタルやコンクリートから水分が染み出します。見た目は「鼻たれ」と似ていますが、こちらの主成分は塩基性硫酸カリウムや重炭酸ナトリウムといったアルカリ金属塩などです。
水洗いで取り除くと、またすぐに再発するかもしれませんが、通常2~3年でタイル内の細孔がふさがり発生しなくなります。
防止するためには、タイルに溶剤型のシリコン系撥水剤を塗布し、撥水処理をすることです。
外壁タイルの黒ずみ除去には、酸性洗剤が効果を発揮!
外壁タイルが汚れた時、虹色に見えることがあります。これは、雨水やセメント中に含まれる物質(炭酸塩、硫酸塩、珪塩)がタイル表面に汚れとして付着し、平滑な薄膜状となったときに光の干渉で虹色に見える現象です。
除去方法は、きれいな水で硬質研磨剤を含まないナイロンたわしを使用し洗浄します。酸性フッ化アンモニウムのようなフッ酸系の溶剤をおすすめしますが、タイル表面を傷めることがありますので十分に注意してください。
外壁タイルの汚れは、一般的にアルカリ性洗剤で落とすことができます。
しかし頑固に付着してしまった黒ずみは、アルカリ性の洗剤では取れません。この黒ずみ汚れを取るには、酸性の洗剤が効果を発揮します。
酸性と言っても塩酸を使用すると、濃度によっては、タイルを傷めツヤもなくなってしまうのでおすすめできません。
乳酸などの有機酸をベースにした比較的安全な酸性洗剤がベターです。
外壁タイル専用酸性洗剤が市販されているので、そちらが使用しやすいでしょう。
市販のクリーナーを使う場合も、容器に取り、2~4倍の希釈液を作ってタイルの状態や汚れの落ち具合を確認しながら、慎重に行ってください。
あらかじめ必ずサンプルタイルでタイル表面が傷ついていないことを確認した後、使用するようにしましょう。