外壁の白は汚れが心配。目立たないようにもできる?
「人にも環境にも優しい」…自然素材である漆喰の外壁は、調湿効果、消臭効果、吸音・遮音性、防火性、防汚性、抗菌性などの高い機能性を誇ります。昔から漆喰は、お城や蔵の建築材として使用されて、機能性もさることながら、見た目の美しさも魅力です。
年を重ねることで、自然素材ならではの風合いや独特の風情が醸し出されます。
汚れにくい漆喰の外壁、その人気の秘密とは?
マイホームの外壁には、どんな素材を選びますか?
塗り壁の塗料をどうするか、サイディングやタイルという選択肢もあり…色々と悩むところでしょう。
ここ数年、漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)を採り入れた「自然素材の住まい」が注目を集めています。
今回は、漆喰の外壁の特徴についてご紹介しましょう。
漆喰の外壁は汚れにくいということで人気があります。そもそも、生活の汚れを引き起こす要因の大半が静電気によるものだと、ご存知でしょうか?
なぜなら、室内のホコリや汚れを静電気が寄せ付けるためです。
漆喰は静電気を溜めない性質を持っているので、ホコリや汚れを寄せ付けず、汚れにくい効果があります。
汚れだけではなく、漆喰の素材としての働きは優れているので、ひとつずつ確認していきましょう。
漆喰の原料は、消石炭に麻スサやのりなどを混ぜて作られた自然素材です。空気中の二酸化炭素を吸収する性質を持ち、100年以上の寿命があると言われています。
特筆すべき点は、ホルムアルデヒドを吸収・分解する性質があることでしょう。シックハウス症候群が問題になっている今、そのような観点からも「人にも環境にも優しい」と見直されています。
漆喰の調湿効果、消臭効果、吸音・遮音性
暑くじめじめとした夏の湿気や、冬の乾燥した寒気にも、漆喰は室内の湿度に合わせて水分を吸収したり放出したりする働きがあります。
多孔質の漆喰に含まれる微細な孔から水成分が吸排出され、心地の良い安定した室内の湿度を維持します。
夏は湿気を吸収し、冬は湿気を空気中に吐き出して室内の乾燥を防いでくれるのです。
そのため、エアコンの使用が減り省エネルギーの効果もあります。
湿度による結露が起こりにくく、優れた調湿効果で1年を通して快適に過ごせることが大きなメリットでしょう。
元来、漆喰は強アルカリ性の素材であり抗菌性があるため、結露になりにくいことに加えて、カビやダニの発生を抑えます。
また、漆喰を塗り込んだ壁は、室内にこもった臭い成分を無数の孔が吸い取ってくれるので、暮らしの中で発生する、生ゴミ、トイレ、ペットなどの気になる生活臭の対策も期待できます。
さらに、漆喰は微粒子に含まれた小さな孔が音を吸収することで、吸音や遮音性に優れています。ご家庭内の音はもちろん、ご近所での騒音のトラブルを回避し、遮音性・遮光性が高く、静かな環境づくりを応援します。
機能性と美しさを兼ね備え漆喰の外壁
漆喰は、ほぼ無機の不燃性の素材で構成されており、燃えにくく、熱も伝えにくい特徴があり、断熱性や防火性が高い特徴があります。
昔から漆喰は、お城や蔵の建築材として使用されてきたことからも、断熱・防火性の高さを物語っています。
機能性もさることながら、見た目の美しさも漆喰の魅力でしょう。
江戸城をはじめ、蔵など中世から残る日本の美しい歴史的建築物には、白を中心に、珍しい黒い漆喰なども使用されてきました。
いまなお残る、歴史的建造物を見てもわかるのは、耐久性の高さだと言えます。漆喰は、日本だけでなく、実は南ヨーロッパの住宅にも多く使われています。
白、イエロー、オレンジの壁は、ヨーロッパ伝統の工法で建てられていますが、外壁は、漆喰の塗り壁です。漆喰でできた外壁のカラフルな佇まいは、長い歴史の中で、風景の一部となり、多くの人々に愛されてきました。
その工法は古代ローマ時代から伝えられてきたと言われています。
年を重ねることで、自然素材ならではの風合いや独特の風情が醸し出される漆喰。洋の東西を問わず、漆喰の持ち味は愛され続けています。