外壁にひび割れ発見!補修方法と注意点
外壁のひび割れはどうしてできるのでしょう…その原因は、日本の一般的な住宅建材と関連しているようです。
また、ひび割れの種類は大きく分けて4つあります。ひびが浅いと、補修費用の負担も軽減されるので、早期の対応がおすすめです。
最初の塗装が不適切でひび割れたり、下地の補修が不十分だと、そこから腐食したり、補修してもまたひび割れを起こすので、塗装作業に注意を払いましょう。
外壁のひび割れの原因とは
外壁のひび割れは、どうしてできるのでしょうか?
それは、日本の住宅の建材がひび割れしやすい性質であることが理由に挙げられます。
一般的な住宅は、木造にモルタルで塗られた外壁で作られているか、もしくは建物全体がコンクリートでできています。
このモルタルやコンクリートは、ひび割れができやすいと言われており、その原因は製造過程に関係します。
モルタルやコンクリートの収縮による外壁のひび割れ
モルタルやコンクリートを作るとき、水を使って砕石や砂と練り合わせ、乾燥させます。
乾燥するとモルタルやコンクリートは「やせ」と呼ばれる「収縮」が起こり、ひび割れが生じます。
外壁において、乾燥収縮によるコンクリートのひび割れは、起こり得るもので、避けることはほぼ不可能でしょう。
しかし、補修することで雨水等の侵入は防ぐことはできます。放置しなければ大丈夫なのです。
放置すると、そこから雨水や湿気、結露がコンクリートの内部に侵入し、鉄筋が錆びて腐食してしまいます。
また、夏は建物が膨張し冬は収縮するという元々の性質も伴い、ひび割れが進んでしまいます。
さらに地震が多い日本において、頻繁に起きる小規模の地震もひび割れを悪化させる要因です。
[ひび割れからの雨水の侵入で、モルタルが浮いている壁]
外壁のひび割れは、大きく分けると4種類
「外壁のひび割れ」は、大きく次の4つの種類に分けられます。
ヘアクラック、乾燥クラック、構造クラック、縁切れクラックの4つに大別され、下地までダメージが届いていない割れを「チェッキング」や「ヘアクラック」と呼んでいます。
外壁は、下地素材の上に塗料で仕上げますが、その塗料は表面に「塗膜(とまく)」を形成します。塗膜の底まで広がるひび割れを「クラック」と言います。
では、大別した4つの「外壁のひび割れ」について、ひとつずつその原因を確認していきましょう。
外壁のトラブル、ヘアクラックや乾燥クラックの原因とは
まずヘアクラックですが、発生の原因としては、年月の経過による塗膜の劣化、塗装時の対応が不適切であった…などが考えられます。
髪の毛のように細いひび割れの状態なので、ヘアクラックと呼ばれています。
ひび割れから雨水などが入り込むと劣化が加速するので、早急に塗装する必要があるでしょう。
劣化の程度により、上塗り材を再塗装するだけで良い場合もあれば、主材に及んでいる際は、全面を剥離しなければなりません。
劣化の度合いで、補修の金額にも差が出るので、軽度なうちに対応することが経済的にも負担が軽減されます。
次に乾燥クラックですが、こちらは製造工程にその原因があります。
モルタルなどの湿式工法による外壁材は、乾く過程で水分の蒸発などにより収縮(やせ)が生じ、ひび割れが起こってしまうのです。
下地が完全に乾燥することで収縮は止まり、ひび割れの幅は拡大することはありませんが、塗装の下処理が必要となります。
外壁のひび割れの原因は建物の構造にあることも!
では、構造クラックの場合は、建物の構造的な欠陥に原因が見られます。
建物に構造上の欠陥があり、凍結と融解を繰り返すことや建物の不同沈下などの要因でひび割れが生じます。
また筋交いの不足など構造的なミスから、大きく揺れたり、歪んでしまったりするため、その影響でも外壁にひび割れをもたらすようです。
東日本大震災では、これらの現象が多く起こりました。
建物の構造補強をしないと、外壁材への歪力が働き続けますので、ひび割れから雨水等が入り込まないように、シーリング材を詰め込むシーリング処理を行わなければいけません。
モルタルに塗り継ぎすることで生じる縁切れクラック
縁切れクラックとは、増築等でモルタルに塗り継ぎすることで生じるひび割れのことです。こちらもやはりシーリング処理が効果的です。
特に注意すべきことは、浅いひび割れなのか下地まで到達している深いひび割れなのか、しっかりと確かめることです。
下地の補修が不十分だと、そこから腐食したり、補修してもまたひび割れを起こしたりしてしまいます。
最初の塗装からひび割れることがあるので、建築時の塗装が重要であるとおわかりいただけたと思います。
家を建てる際は、初期段階から作業方法などに注意を払うのが良いでしょう。