他人事じゃない! 相続トラブル事例集 ~弁護士・司法書士に相談すべきケースとは?~
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
前回は「葬儀費用はなぜ高いと感じるのか?」というテーマで、費用の裏側にあるコスト構造についてお話しさせていただきました。
さて今回は、私たち「葬儀社のスタッフ」に焦点を当ててみたいと思います。
「葬儀屋さんって、お葬式の時しか見かけないけど、普段は何をしているの?」
「黒いスーツを着て、いつも厳粛な雰囲気だけど、どんな人たちなの?」
そんな風に思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし私たちの仕事は、単にお葬式のセレモニーを進行するだけではありません。
ご遺族に寄り添い、故人様を敬い、様々な手配や準備を昼夜問わず行っています。
華やかな仕事ではありませんが、非常に奥深く、大きな責任とやりがいのある仕事だと私は思っています。
今回は、そんな葬儀社スタッフの「知られざる日常」や「具体的な仕事内容」について、少し詳しくご紹介したいと思います。
私たちの仕事ぶりを知っていただくことで、葬儀社に対する見方が少し変わったり、より身近に感じていただけたりすれば嬉しいです。
葬儀社スタッフの主な仕事内容
葬儀社のスタッフと一口に言っても、その役割は多岐にわたります。
会社によって分担は異なりますが、主な仕事内容を見ていきましょう。
ご遺体のお迎え・搬送・安置
これが、私たちの仕事の「始まり」となることが多いです。
病院やご自宅など、お亡くなりになった場所へ、24時間365日、昼夜を問わずお迎えに上がります。
専用の寝台車で、故人様を安置場所(ご自宅や弊社の安置施設など)まで、丁寧にお運びします。
ご遺族にとっては、故人様との突然のお別れで動揺されている場面です。
私たちは、悲しみに寄り添いながらも、冷静かつ迅速に対応することが求められます。
ご安置後も、故人様のお体の状態を維持するために、ドライアイスの交換などで定期的に訪問することもあります。
ご遺族との打ち合わせ
ご遺族のお話をじっくりと伺い、葬儀の日程、場所、形式、内容などを決めていく、非常に重要なプロセスです。
故人様のお人柄やご遺族の希望、ご予算などを丁寧にお聞きしながら、最適なプランをご提案します。
単に事務的に進めるのではなく、ご遺族の気持ちに寄り添い、不安を取り除きながら、納得のいくお見送りの形を一緒に作
り上げていくことを心がけています。
ここで、祭壇、棺、返礼品、料理などの具体的な内容も決めていきます。
関係各所との連絡・手配
打ち合わせで決まった内容に基づき、様々な手配を行います。
火葬場の手配: 日程に合わせて火葬炉の予約をします。特に都市部では混み合っていることが多く、迅速な手配が必要です。
式場の手配: 公営斎場や寺院など、外部の式場を使用する場合は、予約や手続きを行います。
宗教者への連絡: 菩提寺などへ連絡し、読経の依頼や日程調整を行います。お付き合いのある宗教者がいない場合は、ご紹介することも可能です。
各種業者への手配: 料理、返礼品、供花、貸衣装、マイクロバスなど、関連する業者へ発注や連絡調整を行います。
役所手続きの代行
ご遺族の負担を少しでも軽減するため、死亡届の提出や火葬許可証の申請といった、煩雑な役所手続きを代行することが多いです。
正確さが求められる重要な業務です。
式場の設営・準備
通夜や告別式に向けて、式場の設営を行います。
祭壇の飾り付け、供花・供物の配置、椅子の準備、受付の設営、案内看板の設置など、細部にわたって準備を進めます。
故人様をお迎えするのにふさわしい、厳粛で清らかな空間を作り上げます。
通夜・葬儀(告別式)の進行・運営
ここが、皆様が最も目にする私たちの姿かもしれませんね。
司会進行、参列者の案内・誘導、焼香の案内、宗教者のサポート、音響・照明の操作など、式が滞りなく、かつ厳かに進むように、全体の運営を管理します。
予期せぬトラブル(急な参列者の増加、体調不良者の発生など)にも、臨機応変に対応する必要があります。
常に周囲に気を配り、ご遺族や参列者が安心して故人様とのお別れに集中できるよう、黒子に徹することも重要です。
出棺・火葬場への同行
告別式後、故人様を霊柩車にお乗せし、火葬場まで同行します。
火葬場での手続きや、収骨(お骨上げ)のお手伝いも行います。
ご遺族にとっては、故人様の姿を見る最後のお別れの場面。
最後まで心を込めてサポートさせていただきます。
葬儀後のアフターフォロー
葬儀が終わったら、それで終わりではありません。
ご自宅へ後飾り祭壇(中陰壇)を設置したり、今後の法要(四十九日、一周忌など)に関する相談に乗ったり、仏壇・仏具、お墓に関するアドバイスを行ったりします。
また、相続や遺品整理など、専門的な手続きが必要な場合は、信頼できる専門家(弁護士、司法書士、税理士など)をご紹介することもあります。
ご遺族が少しでも安心して日常に戻れるよう、継続的なサポートを心がけています。
葬儀社スタッフの日常は「待つこと」と「動くこと」
このように、私たちの仕事は多岐にわたります。
葬儀が入っていない時は、事務所で事務作業をしたり、備品のメンテナンスをしたり、事前相談のお客様に対応したり、勉強会に参加したりしています。
しかし、いつご依頼の電話が鳴るか分からないため、常に「待機」している状態とも言えます。
そして、ひとたび依頼があれば、すぐさま「動き出す」。
その切り替えの速さも、この仕事には求められます。
体力的にきついこともありますし、精神的に辛い場面に立ち会うことも少なくありません。
ご遺族の深い悲しみに触れるたび、私たちも胸が痛みます。
それでも、この仕事だからこそ感じられる「やりがい」があるのです。
無事に葬儀を終え、少しだけ安堵されたご遺族の表情を見た時。
「故人らしい、温かいお見送りができました」と感謝された時。
私たちの苦労が報われ、この仕事をしていて本当に良かった、と心から思える瞬間です。
人生の最期という、誰にとっても非常にデリケートで重要な場面に関わらせていただく。
その責任の重さを常に感じながら、ご遺族の想いを形にし、故人様の尊厳を守るお手伝いをさせていただく。
これほど尊く、やりがいのある仕事は、なかなかないのでは?と思っています。
株式会社大阪セレモニー