「空き家」になった実家、どうする?~孤独死と相続放棄の意外な関係~
皆様、こんにちは。株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
今回は、「こんな葬儀の種類もあるんですよ」シリーズとして、近年注目度が高まっている「樹木葬」について詳しく解説します。
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を墓標(シンボル)として、その周辺に遺骨を埋葬する葬送方法です。自然に還りたいという想いや、お墓の継承者がいないといった悩みを持つ方々から、新しい供養の形として選ばれるケースが増えています。
今日は、樹木葬の種類、メリット・デメリット、費用相場、選び方のポイント、そして法律的な側面も含めて、具体的にお話しします。
樹木葬とは? その魅力
樹木葬は、文字通り「樹木」を墓標とする点が最大の特徴で、自然や環境に優しいイメージがあります。
また、多くの場合、宗教・宗派を問わず利用でき、永代供養が付いていることが多いため、お墓の後継ぎがいない方でも安心して利用できる点が魅力です。
主な魅力としては、以下の点が挙げられます。
自然志向:緑豊かな環境で眠りたい、自然に還りたいという希望を叶えられる。
費用負担の軽減:墓石代がかからないため、一般的なお墓を建てるよりも費用を抑えられる場合が多い。
継承者不要:霊園や寺院が管理・供養を行ってくれる「永代供養」がセットになっていることが多く、後継ぎの心配がない。
宗教・宗派不問:宗教的な制約がない、あるいは少ない場合が多く、誰でも利用しやすい。
明るい雰囲気:従来の墓地とは異なり、明るく開放的な雰囲気の場所が多い。
樹木葬の種類
樹木葬と一口に言ってもその形態は様々で、主に以下のタイプに分けられます。
①里山型樹木葬
自然の山林に近い環境の墓地に、遺骨を埋葬し、その周辺に植樹するタイプ。
より自然に近い形で眠りたい方に向いていますが、都心から離れている場合が多く、アクセスがやや不便なことも。
管理も自然に近い形で行われることが多いです。
②公園型(庭園型)樹木葬
霊園や寺院の敷地内に、公園や庭園のように整備された区画を作り、そこに樹木や草花を植えて墓標とするタイプ。
アクセスが良い場所が多く、管理が行き届いているため、お参りしやすいのが特徴です。
最近では都市部で増加傾向にあります。
③シンボルツリー型
一本の大きな樹木(シンボルツリー)を墓標とし、その根元周辺に複数の遺骨を合祀(ごうし:一緒に埋葬すること)するタイプ。
費用を抑えやすい傾向があります。
④個別区画型(ガーデニング型)
個別の区画が用意され、そこに自分たちだけのシンボルツリーや草花を植えるタイプ。
他の人と遺骨が混ざらず、個別の墓標があるため、お参りの対象が明確です。
その分、費用は高めになる傾向があります。
樹木葬のメリット・デメリット
【メリット】
- 自然に還れる、自然を感じられる環境
- 墓石代がかからず、費用を抑えやすい
- 永代供養付きが多く、後継ぎ不要
- 宗教・宗派不問の場合が多い
- 明るく、お参りしやすい雰囲気
【デメリット】
- 一度合祀されると遺骨を取り出せない(合祀型の場合)
- 個別のお参りの対象が明確でない場合がある(合祀型の場合)
- 比較的新しい供養方法のため、親族の理解が得られない場合がある
- 場所によってはアクセスが不便(特に里山型)
- 樹木が枯れたり、景観が変わったりする可能性がある
- お供え物や線香の使用に制限がある場合が多い
樹木葬の費用相場
費用は、タイプ、立地、管理体制、個別か合祀かなどによって大きく異なります。
あくまで目安ですが、
合祀型(シンボルツリー型など):10万円~50万円程度
個別区画型(ガーデニング型など):50万円~150万円程度
これに加えて、年間管理費や永代供養料などが含まれているか、別途必要なのかを確認することが重要です。
契約時に”総額でいくらかかるのか?”をしっかりと確認しましょう。
樹木葬を選ぶ際のポイントと注意点
後悔しないためには、以下の点をしっかり確認することが大切です。
現地見学は必須:パンフレットやウェブサイトだけでなく、必ず現地に足を運び、雰囲気、管理状況、日当たり、水はけなどを自分の目で確認しましょう。
埋葬方法の確認:個別埋葬か合祀か、遺骨は骨壺のままか、土に還すのか、一定期間後に合祀されるのかなど、具体的な埋葬方法を確認しましょう。
管理体制の確認:誰がどのように管理(除草、清掃、樹木の管理など)してくれるのか、契約期間はいつまでかを確認しましょう。
宗教・宗派の確認:宗旨・宗派不問か、特定の宗派に限られるのかを確認しましょう。
契約内容の確認:費用(永代供養料、管理費などを含む総額)、契約期間、承継の可否、生前契約の可否、解約条件などを細かく確認しましょう。
家族・親族との相談:事前に家族や親族とよく話し合い、理解を得ておくことが、後のトラブルを防ぐために重要です。
樹木葬と法律
樹木葬は、「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」に基づいて、都道府県知事などの許可を得た墓地や霊園で行われなければなりません。
許可のない場所に勝手に遺骨を埋葬することは法律で禁止されていますので、注意が必要です。
大阪セレモニーのサポート
大阪セレモニーでは、樹木葬に関するご相談も承っております。
- 樹木葬に関する詳しい情報提供
- お客様のご希望に合った霊園や寺院のご紹介
- ご遺骨の粉骨(粉末化)の手配
- 現地見学の同行サポート
など、お客様の不安や疑問に寄り添い、最適な選択ができるようお手伝いさせていただきます。
樹木葬は、自然に還りたいという想いを叶え、お墓の継承問題を解決する新しい供養の選択肢として、今後ますます広がっていくでしょう。
しかし、メリットだけでなくデメリットも理解し、様々な情報を比較検討した上で、ご自身やご家族にとって本当に納得のいく方法を選ぶことが大切です。
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