カスタマーハラスメント防止に向けて
介護従事者向けカスタマーハラスメント対策研修を実施しました
兵庫県介護老人保健施設協会にて、介護従事者の方々を対象にしたカスタマーハラスメント(以下カスハラ)対策研修を実施いたしました。介護業界は、他の業界以上にこの問題に直面する機会が多く、従事者が適切に対処できるスキルを身につけることが重要です。
なぜ介護業界でカスハラ対策が必要なのか
介護業界では、利用者本人やその家族との密接な関わりが日常的に求められます。このため、他業界に比べて感情的なやりとりやトラブルが発生しやすい環境と言えます。以下は、介護業界が特にカスハラ対策を必要とする主な理由です
1. 感情的な負担が高い
介護サービスを利用する方やその家族は、身体的・精神的に困難な状況に置かれていることが多く、不安やストレスが高まりやすいです。その結果、感情的な言動がエスカレートし、従事者に対する不適切な要求や暴言、時には暴力といった形で現れることがあります。
2. 労働環境の特性
介護業界は人手不足が深刻な課題であり、従事者が長時間労働や過重な業務負担を抱えるケースが少なくありません。このような状況下でのカスハラは、従事者のストレスをさらに増幅させ、結果として離職率の上昇やサービス品質の低下につながる恐れがあります。
3. 社会的な誤解や期待のズレ
介護サービスに対する利用者や家族の期待が高まる一方で、サービス内容や限界に対する理解が不足しているケースも見受けられます。このような認識のギャップが、不満や攻撃的な行動を引き起こす要因となることがあります。
研修内容の概要
今回の研修では、以下の内容を中心に進めました:
1. カスハラの定義と実態
実際の事例を用いて、どのような行為がカスハラに該当するのかを共有し、参加者に具体的なイメージを持ってもらいまた。
2.カスハラ対策
個人に任せるのではなく、介護事業場全体で取り組むべき問題であり、実際にどのような取り組みが有効なのかを解説しました。
3. 適切な対応方法の実践練習
グループワーク形式で、想定される場面を再現しながら、どのような行動をとることがカスハラを防ぐことになるのかを考えてもらいました。
4. 事業場として必要な対策について
カスハラは許さないという事業場としての決意を表明することが重要なことや、カスハラを未然に防ぐための介護従事者のより一層のスキルアップが必要なことなどについて解説しました。
今後の展望
介護業界でのカスハラ対策は、個人のスキルだけでなく、職場全体での取り組みが求められます。当事務所では、引き続き、介護施設や他業界のニーズに応じた研修プログラムを提供し、従事者の皆さまが安心して働ける環境づくりを支援してまいります。
もし、貴施設でもカスハラ対策やその他の研修にご興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。一緒に働きやすい職場環境を目指しましょう!