おせっかいが好きな浪速の結婚相談員（3/3）

一生つきあうためにも、自分がもっていないものを持ち、尊敬できる人を結婚相手として探しなさい

ベテラン相談員がお見合いを通して人を育てます

　野々山さんのもとには、多くの男女が訪れますが、「人のアドバイスを聞かない人は相手にしません」と、厳しい表情で話します。相談に訪れた人には最初に「どんな人と結婚したい？」と聞きますが、多くの男性が「若くて美人で優しい人」、女性は「優しくて経済力のあるかっこいい人」と答えるそうです。野々山さんは「お互い自分のレベルに見合う相手しか出会えないので、すてきな方と出会いたければ、自分を磨くことが一番大切」と指摘します。
「夢を見るのは勝手。恋人ならいいかもしれないけれど、結婚は遊びじゃない。一生連れ添うためにも、自分が持っていないものを持ち、尊敬できる人を結婚相手として探しなさい。人間は誰でも欠点を持っているけれど、尊敬できるところが一つあれば欠点を許せます。そんな相手を探すためにも自分を磨きなさい」と野々山さんは言います。
野々山さんがいう「人間を磨く」とは、難しいことを勉強しろというのではありません。例えば、デートの時に、男性は相手に恥をかかせない気遣いと服装をしていく。女性は少しおしゃれをするなど、ちょっとした気配りができるといった、ごく普通のことです。
「自分がしてもらえばうれしいことをしてあげる。相手に喜んでもらおうと思う気持ちを持つ。お見合いとは自分が成長するプロセスで、私が手がけたカップルは、そうして人間を磨いた人たちなんです」。壁いっぱいに飾られたカップルの写真を見る野々山さんの表情が、おせっかいな浪速のおばちゃんの顔に戻りました。本当に幸せそうな、仕事に誇りを持っているって感じです。

（取材年月:2011年9月）

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