身体の痛みとは!
・身体の筋肉が硬くなる
「首肩こり・腰背部痛・筋肉痛」とは!
・骨格筋が硬くなる3つの種別として。
①身体的ストレスからくる
②心理的ストレスからくる
③病態からくる
・筋肉の収縮のメカニズム
筋肉の線維を最小単位でみると、筋原線維は筋タンパク質でできており
「アクチン繊維」「ミオシン繊維」の二つの繊維になります。
このアクチン繊維とミオシン繊維が「スライド・連結」することで筋肉
は収縮します。
筋肉が収縮・弛緩するにはエネルギー(ATP)が必要になります。
エネルギー源である「酸素・栄養素」が必須になります。
・筋肉の構成
幾つかの筋原線維が束になり、その束を「筋膜」が包み、またその幾つかの
束を「筋膜」が包む、そのように幾つかの束が重なって筋肉はできています。
その筋肉の中には「血管・リンパ管・神経(随意+不随意)」が通っています。
・血管の役割:「動脈」=酸素・栄養素・水分を全身の細胞へ運ぶ(細胞が
生きるために必要)
「静脈」=細胞から出たゴミ等「二酸化炭素・老廃物等・水分」
を回収・排出。
・リンパ管の役割:老廃物等・水分・細菌・ウイルス等の回収、免疫(防衛隊)。
・神経の役割:脳から末梢(各組織)へ伝達・司令。
末梢神経(感覚組織等)から脳へ情報(各組織の状況)を伝送する。
・筋膜の特性
筋膜は薄い膜でできており、伸び縮みができ柔軟性があります。
筋膜は筋肉の線維とは違い、「コラーゲン繊維とエラスチン繊維」でできています。
柔軟性のある筋膜でも硬くなることがあります、その硬くなる特性として「不活動」
すなわち「動かさないこと」にあります。筋膜は可塑性の性質があり、一定期間維持
し続けるとそのままの状態で硬くなる性質があります。
「伸ばしっぱなし」または「縮みっぱなし」の不活動状態が続くと筋膜は固まってし
まいます。不活動状態が長引くと血流が悪くなり、コラーゲン繊維が肥厚化へ変化し
ていきます。
筋膜が肥厚化しても、ストレッチ等で動かしていれば大きな問題はおきません。しかし、
不活動状態がさらに続いてしまうと肥厚化したコラーゲンの繊維が乱雑に配列されて、
また繊維同士の癒着が始まってしまいます。本来の繊維は伸び縮みの柔軟性がありますが、
乱雑に配列された繊維が癒着によって固くなった筋膜は伸ばすことも縮むこともできなく
なってしまいます。そうなって固くなった筋膜を柔らかくするには至難の技です、相当な
時間がかかります。そうならない為に筋膜を固まらないように予防していくことが重要に
なります。
・筋肉が硬く”こる”原因とは!
筋肉が収縮・弛緩するにはエネルギー源が必要になります、そのエネルギー源は「酸素・
栄養素・ミネラル類」。
呼吸で酸素、食事で三大栄養素「タンパク質・脂質・炭水化物」とミネラル類「カルシュ
ウム・マグネシウム」が必須栄養素になります。
冒頭の①身体的ストレスからくる②心理的ストレスからくる、を述べていきます。
➂病態からくるはここでは割愛します。
①身体的ストレスからくる
単純に身体自体の酷使から栄養素・ミネラル類の使いすぎによる枯渇と疲労物質蓄積と
筋肉肥大から血流・リンパの流れの阻害に伴って、筋原線維がスライド・連結し硬直した
状態で弛緩が思うようにできなくなっている状態としてみることができます。
②心理的ストレスからくる
中枢神経系「脳・脊髄」からの影響が関係しています。
心理的ストレス増が生じると脳・脊髄から自律神経の中の交感神経を介して筋肉を緊張させ
硬くなる現象で、負の思考「いやだなあと感じる」が自律神経系に影響を与え、無意識
「不随意的」に筋肉が緊張して硬くなる現象のことです。内臓系にも影響を与えることも
あります。
硬くなった筋肉の中の血流とリンパの流れが阻害され神経の伝送能力も低下するため、
脳からの伝達・司令が思うようにできず、筋肉の”こり”が改善されないまま悪循環に陥る
のです。
①②のストレス増により筋肉が硬くなった状態が継続して続くと、末梢神経「組織」から
の誤情報が自律神経系に影響を与えて”不定愁訴等”の症状が出現する場合もあります。
・自律神経とは!
自律神経を述べる前に、先に神経系を機能的分類からみた視点で述べていきます。
神経系を機能的分類からみた場合、体性神経「随意神経」と自律神経「不随意神経」の
2種に分類されます。
体性神経「随意神経」とは、
感覚神経と運動神経にわけることができます。
感覚神経は、皮膚・見る・聞くなどの五感の刺激情報を脳へ伝える神経のことです。
運動神経は、脳から身体の筋肉へ司令、自分の意識「随意」で筋肉を動かす事ができる
神経のことです。
自律神経「不随意神経」とは、
自分の意志とは関係なく働いてくれている神経のことです。
交感神経「アクセル」と副交感神経「ブレーキ」の2種類があります。
交感神経「活動的」と副交感神経「休息的」で、この二つの神経で身体の様々なバランス
が保たれています。
日中に活動的に動いているときは交感神経が優位に働いています。
就寝時などには副交感神経が優位に働いています。
交感神経は、覚醒「脳の活動」興奮・ストレスを感じている時、緊張している時、骨格筋へ
の血流増加などではたらいている神経です。
副交感神経は、寝ている時、休息している時、リラックスしている時、内臓系への血流増加
で内臓のはたらき養生等にはたらいている神経です。
この二つの神経で、心臓の動き、体温調整、消化、吸収、ホルモンの分泌、免疫、内臓系など
の基本的な生命維持活動を、自分の意識「不随意」によらず自動的にコントロールしているの
が自律神経です。
※自律神経は、感情「こころ」の影響を受けやすいため、器質的異常が無くても機能的
異常として出現することがあるのです。(不定愁訴等)
・筋肉のこり”硬直”の対処法
筋肉の”こり”をほぐすためには動かして血流をよくする、ストレッチ・マッサージ・温める
「入浴等」・こころの休息・姿勢の改善・食生活・睡眠時間・適度の運動習慣といった生活面
をトータルで見直していくことが大切になります。