高価買取の対象となる車の特徴とは?
車を売りたい人の為の話#12
人員削減(リストラ)と工場の統廃合が進めばどうなる?
過去2回に渡ってコラムを書いた日産ショックシリーズ、まずはおさらいから。
日産ショック#1:実は対岸の火事では済まないくらいヤバいかも?
日産ショック#2:我々庶民の生活にどう関わってくるのか?
本日のコラムを書く上で、キーとなるポイントは以下の通りです。
- 日産が人員削減(リストラ)と工場の統廃合に踏み切る
- サプライチェーン(下請け企業)でも同様の事が起こる可能性が高い
- 上記が原因で車を作る(または車を直す)為に必要な部品の生産が滞る
これらが現実となった時、実際に起こり得る最悪のシナリオって何だろう?
中古車の買取と販売を生業とする者として、ここでは主に「中古の日産車」に焦点を当て、中古の日産車に今後起こり得る最悪のシナリオについて推測しようと思います。
そもそも部品の供給が止まったらどうなる?
人員削減(リストラ)と工場の統廃合が進めば、当然これまでと同じスピード感で部品を生産する事が出来なくなり、車を直す為に必要な部品が手に入りづらくなります。
あくまで同業他社の経営者との会話の中で耳にした噂レベルの話ですが、某保証会社が「日産車は保証に入れなくなる」と加盟店に通告したり、とあるエンジン系統の部品の入荷に「半年以上かかる」と言われたり、既に部品の供給面に問題が出始めているとの事。
中古の日産車を買ったはいいけど、いざ故障したら部品が無くて直せない、もしくは直すのに半年以上かかる、更に保証に入る事が出来ない。
消費者はこの現状を、良しとするでしょうか?
日産車の価値が暴落する?
上記の観点から、日産車の購入に前向きになれない消費者がいるとします。
ひとりふたりだったらまだしも、何百人・何千人もの消費者が、中古の日産車を選択肢から外す事になったらどうなるでしょうか?
日産車には「売れない車」というレッテルが貼られます。
この世は常に需要と供給で成り立っているので、小売(中古車販売)で人気な車種はオークションでも高値で取引されるし、そのまた逆も然り。
ちなみに先日、平成29年式の日産セレナ(約11万キロ走行)の査定依頼がありました。
オークション相場を確認したところ、似た状態の車の相場がなんと37万円!
日産ショックの報道前であれば安く見積もっても60万円前後で取引されていたはずなんですが、今回の件でここまで下がってしまいました。
日産、万事休す!もはや八方塞がりか?
ブランド力と信用の低下で国内で新車の売れ行きはイマイチ、大量の販売台数が見込めたはずのアメリカではトランプ関税でここでもまた新車が売れない。
車検や修理に時に必要な部品の供給面にも問題が発生し始め、部品も売れない(絶対にニーズはあるけど生産体制の問題で作れないから売るものが無い)。
今の日産には、お金に替えられるものが無い。
一旦は所有する不動産の売却などで資金を工面する事が出来ると思うけど…。
僕のような端くれが何を偉そうにって話ではあるけど、個人的な意見として、日産は部品の生産だけは絶対に止めちゃいけないと思うんですよね。
なぜなら部品は絶対に売れるから!!!
部品が売れる車をたくさん作ってきたんだよ、日産は。ちなみにこれは悪い意味で(笑)
安定した部品の供給、これが日産再建の鍵となるような気がするのは僕だけではないはず。
頑張れ!日産!
とは言え、僕の本音はこれ。
なぜならこれまで日産車には、たくさん儲けさせてもらったから。
キューブから始まり、セレナ、スカイライン、ティアナ、フーガ、などなど、数え切れなほどの日産車を買い取り、そして販売してきました。
「今の当社があるのは、日産車のおかげ」と言っても過言ではありません。
確かに日産車の作りには言いたい事は山ほどあるし、ラジエーターとかファンモーターとか、あとエアコンとか、まじでクソみたいな車作りやがって!って、言いたい事のほとんどが悪口ではあるんだけど(笑)儲けさせてもらったのは事実なので、とにかくこの難局を乗り切ってもらいたいなと、素直に思います。




