001☆決算書を未来志向で作り替える必要性

宮﨑栄一

宮﨑栄一

テーマ:未来決算書で会社は儲かる!

私たち公認会計士・税理士は、仕事柄、多くの社長にお会いします。
そこで見てきたのは、決算書に全く興味を示さない社長と、決算書をしっかりと読み込み、そこから経営上の打つべき手をどんどん思いつき、実行していく社長です。

圧倒的に多いのは前者の社長でしょう。それは、いったいなぜなのでしょうか。

「決算書は、数字の羅列で、見てもよく分からない・・・」

よく聞かれる社長の声です。しかし、悪いのは決算書の見方を勉強しない、社長のせいなのでしょうか。

決算書が理解しにくい理由は、2つあります。

一つ目の理由は、決算書が税務署に税金を納める目的、借入のために銀行へ提出する目的で作成されているからです。決算書が、そもそも社長の経営の意思決定に役立つように作成されていないのです。

もう一つの理由は、会計事務所の説明が下手だからです。

実は、私たち会計のプロでも、制度会計で作成された決算書を使って、お客様に決算書を分かりやすく説明をすることは、とても骨の折れる仕事なのです。

税務署や金融機関に提出する決算書は、税法や会社法のルールに基づいて作成されています。法制度に基づいた会計なので、制度会計と呼ばれています。

この制度会計による決算書は、過去の実績数値を羅列した過去会計です。だから、前向きな社長であるほど、過去の数字に興味を示さないのは、ある意味当然です。

残念ながら、決算書は、そのままでは経営の役に立ちません。会計や簿記の勉強をしていない社長にとって、複雑で分かりにくく後ろ向きの資料です。勉強しない社長が、悪いわけではないのです。

そこで、どうすれば決算書を分かりやすく社長に説明することができるのか。過去を振り返る後ろ向きの資料でなく、未来志向で経営に活かせる資料にならないのか。

そこで私たちは、決算書を未来志向の経営ツールに作り替えて、決算書を分かりやすく説明することに全力をあげています。

損益計算書は、経費を変動費と固定費の発想で、変動損益計算書に作り替えます。いわゆる損益分岐点売上や労働分配率が簡単に分かる「ストラック図表」や「未来会計図表」と呼ばれる図表に作り替えるのです。この表で、必達の利益と必達の売上高の数字を目の当たりにして、その瞬間から生まれ変わる社長を何人も見てきました。

そして、社長が変わると会社が変わるという事例を数多く見てきました。

貸借対照表は、キャッシュフロー計算書及び資金別貸借対照表に作り替えます。これで、利益が出てもお金が残らない理由、財務体質を改善する方策が分かるのです。

私たちは、これらの経営ツールを使って、月次決算検討会や決算前検討会で、社長をはじめ経営陣と一緒に、未来志向の打つべき手を検討します。

そして、会社にとって利益とは、残ったものでも余ったものでもなく、未来へ向けて事業を存続させるための経費であることを知って頂くのです。

例えば、生命保険の加入を例にとってみましょう。

決算書を未来志向で読めるようになり、利益の本質が分かると、本来、入るべき保険商品の保険金額、保険料の金額、支払方法が見えてきます。
社長は勇退の時期を見極め、退職金の準備を考えます。決算前検討会で、毎期、現状の確認と見直しの必要性が検討されるようになります。その場しのぎの節税(課税の繰り延べ)だけを追いかける生命保険の加入とは、スタンスが180度異なるのです。

財務体質改善アドバイサーとして、社長の応援をしたいと思っています。


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宮﨑栄一
専門家

宮﨑栄一(公認会計士)

(株)創明コンサルティング・ブレイン/公認会計士・税理士宮﨑会計事務所

公益性の高い社会福祉法人を永続させるためには、ガバナンスの強化と経営力の強化が必須です。今後、重要性を増す監事監査・内部監査の充実と会計監査の導入、新指導監査ガイドラインへの対応まで支援します。

宮﨑栄一プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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