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死亡保険金がおりたときの相続税の注意点

2016年4月21日

テーマ:相続・贈与

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き相続税

被相続人の死亡によって保険金が支払われたときは、相続税として申告が必要になります。一般的に支払われる死亡保険金には以下のようなものがあります。

・ 生命保険会社、かんぽ、農協などで契約をしている生命保険契約の保険金
 ・ 損害保険会社から、偶発の事故に基因する死亡に伴い支払われる損害保険契約の保険金

それでは、これらの保険金が支払われたときに注意することを以下に説明していきます。

 1)みなし相続財産

みなし財産とは、本来の相続によって取得した財産ではなくても、実質的に相続によって取得した財産をいいます。
相続税法では課税の公平を図るために、その受けた利益などを相続によって取得したものとみなして相続税の課税財産とします。そして、亡くなったときに被相続人が持っていた財産ではないが、被相続人の死亡が原因となって相続人などが受け取る財産も課税されるということです。
その他にも、死亡保険金を相続人が受け取った場合、保険事故がまだ発生していない保険契約を相続人が引き継いだ場合、死亡退職金を相続人が受け取った場合などが、みなし相続財産となります。

 2)課税関係

相続財産とみなされる生命保険金などの価額は、保険金のうち、被相続人が保険料を負担した部分です。
なお、保険料を負担した人により、課税の対象が変わるので注意が必要です。

【保険料を負担したひとが被相続人の部分】・・・みなし相続財産

【保険料を負担したひとが保険金受取人】・・・所得税の対象
※一時金として受け取った額については税務処理上、一時所得になり、年金の場合は雑所得として処理します

【保険料を負担したひとが受取人以外の者】・・・贈与税の対象
※受取人意外の者でも被相続人は除きます

 3)評価方法

保険金の評価方法は受取方法によって異なります。

【一時金による受取】
一時金の価額がそのまま評価額になります。

【年金による受取(有期定期金)】
次のうち、いずれか多い金額が評価額になります。
 ・ 解約返戻金の金額
 ・ 一時金で受け取ることができる場合の一時金の額
 ・ 年平均額×残存期間に応ずる予定利率の複利年金現価率

【年金による受取(終身定期金)】
次のうち、いずれか多い金額が評価額になります。
 ・ 解約返戻金の金額
 ・ 一時金で受け取ることができる場合の一時金の額
 ・ 年平均額×定期金給付契約の目的とされた者の平均余命に応ずる予定利率の複利年金現価率
※保険事故がまだ発生していない場合に、保険契約を相続人が引き継ぐ場合の権利の評価は、解約返戻金の額のうち、被相続人が保険料を負担した部分です。ただし、掛捨て保険の場合の評価はゼロです。

 4)非課税限度額
相続人が受け取った生命保険金などのうち、非課税限度額を超えた分が相続財産となります。
非課税限度額は以下の計算によって算出されます。

非課税限度額=500万円×法定相続人の数

そして、一人ひとりの非課税限度額は以下の計算によって算出されます。
一人ひとりの非課税限度額=(500万円×法定相続人の数)×その相続人が受け取った死亡保険金の合計額÷被相続人のすべての相続人が取得した死亡保険金の合計額
※相続人以外の者が受取人の場合は、その者には非課税の適用はありません
一般的に、生命保険をかけている人は多いと思います。相続が起こり死亡保険金の相続分を把握しておけば、事前に相続税対策ができます。
生命保険金が多額になる場合は、相続税として支払う額が大きくなることもあるので、生命保険金と非課税限度額を事前に知っておくことが重要になります。

この記事を書いたプロ

川本洋

相続手続きのプロ

川本洋(税理士法人 パートナーズ(企業全体77名))

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