「樹木医」ならではの“木に優しい”剪定で、心安らぐ庭づくりを（3/3）

”市井の名木“の力になりたい―。人の思いがこもった大切な木をしっかりとメンテナンス

　中野さんの豊富な知識と技術力、誠実な人柄は「植物好きの人」に特に評判がよく、独立前から10年以上依頼を受けている個人宅も多いといいます。中には1つの敷地に和風とイギリス風のタイプの異なる2つの庭を持つ家もあり、中野さんはすべてのメンテナンスを任されているそうです。
　「庭の植木には住む人の思いがこもっています。私はそんな“市井の名木”の力になりたい」と話す中野さん。剪定のほかに依頼主の思い入れのある庭木の植え替え（移植）も数多く請け負っています。関西に住む女性から「岡山の実家を処分することになったが、亡き母との思い出のある柿と梅の木は自宅の庭に移してほしい」という依頼を受けた際には、中野さんは丁寧に根のケアをして新たな庭まで運んで植栽。女性から「お陰でうまく木が付きました」と心のこもった礼状をもらったそうです。ほかにも西日本豪雨で被害を受けた倉敷市真備町地区の人から「結婚記念のキンモクセイを移植してほしい」という依頼を受けたことも。水に浸かって弱っていたそうですが、樹木医である中野さんの技術によって新しい庭でよみがえっているそうです。
　樹木に関する豊富な知識と剪定技術を生かし、一人一人のお客さまの思いを大切に、丁寧に対応している中野さん。「樹木とお客さまの橋渡し役になりたい」と力強く話してくれました。
(取材年月：2020年4月）

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⇒樹木医の資格を持ち、木の健康を考えた植木の剪定をしています。