「樹木医」ならではの“木に優しい”剪定で、心安らぐ庭づくりを（2/3）

庭づくりの感性を磨きながら樹木医などさまざまな資格を取得

　中野さんが造園の世界に入ったのは1999年、26歳の時。高校卒業後、機械整備の仕事をしていましたが、「毎日無機質なものを扱っているうちに、自然に緑や土に触れる仕事をしたいと思うようになった」と言い、求人広告で見つけた岡山県内の大手造園会社に転職。庭師としての修業を始めました。
　造園会社では、個人庭のほか街路樹や公園など公共施設の植栽の剪定、メンテナンスを多数行い、技術を身に付けていった中野さん。毎日さまざまな樹木に触れるうちにどんどんと造園の魅力に引き込まれていったそうです。そのうちに「効率のみを重視される仕事よりも、本格的に庭づくりを学びたい」という思いが強くなり、2005年からは県内の作庭家の下で働くように。2015年までの10年間、自然な里山の風景を思わせる「雑木の庭」などさまざまな庭づくりにスタッフとして携わりました。現在中野さんが得意とする、“温かみのある自然風の庭”のメンテナンス技術と感性はこの時期に磨かれたものです。
　同時期には庭づくりの仕事に役立てようと、樹木医や一級造園技能士、一級造園施工管理技士など数々の資格を取得。中でも難関の樹木医資格は仕事前の朝4時に起きて勉強を重ね、見事1回の受験で合格したそうです。
　知識や技術、感性を身に付けた中野さんは満を持して2015年に独立。植木の剪定などのメンテナンスをはじめ、庭に関する外構工事（コンクリート、ブロック塀工事）も行う「中野庭苑工業所」として活動をスタートさせました。

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