子の引渡し・連れ去り事件⑤ 弁護士への相談(その2)
養育費 ① 養育費算定表の見直し
11月13日のニュースで、「養育費算定表の見直し」が報じられました。
離婚後の養育費や、別居中の婚姻費用の支払については、まず当事者間で協議して定めることになっていますが、協議できないときは家庭裁判所に話し合いの場を移して、調停(話し合い)、審判(裁判官の判断)で決めていくことになります。
その際に、双方の主張(これだけは払ってほしい、そこまでは払えない)が平行線になりやすいこともあり、簡易迅速な紛争解決のための指針として、2003年に判例タイムズに裁判官有志の研究報告として公表された標準的な算定基準が、いわゆる「算定表」として実務に定着して用いられていきました。
双方の収入と、子どもの人数、年齢により、いくつかの類型ごとに早見表を確認することで、婚姻費用、養育費の適正額の幅を示すものです。
あくまで標準的な算定なので、個々のケースでの個別事情は勘案されますが、家庭裁判所実務で定着しているだけに、相談場面においても、当事者も関心が高いですし、必ず情報提供を心掛けるようにしています。
今回の基準見直しについては、最高裁判所のホームページに以下のような案内があります。
(以下、最高裁判所ホームページから引用)
「養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究」をテーマに,東京及び大阪の家庭裁判所所属(当時)の裁判官を研究員とする司法研究が行われてきましたが,その研究報告が令和元年12月23日に公表される予定となりました。
この報告では,現在,家庭裁判所において養育費又は婚姻費用の算定をする際に活用されている資料(標準的な養育費・婚姻費用の額を簡易迅速に算定するための標準算定方式・算定表)の考え方を踏襲しつつ,基礎となる統計資料を更新するなどした標準算定方式・算定表(令和元年版)が提案される予定です。研究報告の概要及び改定標準算定表(令和元年版)は,令和元年12月23日に,本ウェブサイトにも掲載する予定です。
(以上、引用おわり)
家庭裁判所においても、報道当日から、12月23日に公表予定の新基準を待って調整という事件が少なくありません。
あすの新基準の公表を待って、随時、情報提供をしていきたいと考えています。