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川﨑政宏

夫婦、親子をめぐるトラブル解決のプロ

川﨑政宏(かわさきまさひろ)

ももたろう第2法律事務所

コラム

子の引渡し・連れ去り事件② 直後の探索と自力救済の禁止

子どもをめぐる法律相談

2018年2月1日 / 2018年3月27日更新

子の引渡し・連れ去り事件② 直後の探索と自力救済の禁止

別居・離婚をめぐっての子の連れ去りについては、社会問題化し、様々な立場から意見が交わされており、2013年に日本がハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)を締結したこともあり、国内事件についても、違法な連れ去り別居を強く批判する論調が一方であります。

逆に、DV被害者支援や虐待事件の子どもの保護の観点から考えると、暴力的な家庭環境からの脱出は極めて困難で、暴力被害を受け続けている女性が、子どもを連れて家を離れることそのものが生命の危険にさらされるという事例も少なからずあり、子の安全を守るために意を決して、子を連れて家を離れた母子への支援も必要となります。

一方当事者からは、「違法な連れ去り」と主張される事件でも、他方当事者からは、「DV・虐待からの避難」と主張されることも多く、事件の全体像の把握が困難な事例も少なくありません。

いずれにしても、子どもが連れ去られた場合、心配して思い当たる立ち回り先に連絡をとって行方を探すことは、当事者としては当然の行動と言えます。

ただ、行方が確認できたとして、連れ去られたのだから、自力で連れ戻す、実力行使に出ることはどう考えたらよいでしょうか。

こうした実力行使を認めてしまうと、互いに際限ない「子どもの奪い合い」が始まってしまい、子どもはもみくちゃ状態となり、子の福祉を害する結果となってしまいます。

通常、直接の捜索活動で行方が見つかった場合に、強引な実力行使に出た場合、警察に通報されることもあります。住居侵入や迷惑行為などに該当して検挙されるリスクがあります。

行方がわかった場合は、冷静に任意の引渡しを求めることが大切です。一時の感情にまかせた連れ去りケースでは、その場で任意の引き渡しに応じ、大騒動にならずにすむこともあります。

それでも、任意の引渡しに応じてもらえない場合は、早めに家庭裁判所の判断を仰いだ方が、結果として早い解決につながるので、すみやかに弁護士の法的支援を受けた方がよいことが多いです。

一方、DV・虐待ケースで子どもを連れて避難した側にとっては、すぐに避難先に押しかけられることの恐怖感は想像以上のものがあります。

DV・虐待の被害者の場合、公的シェルター・民間シェルターへの一時保護も含めて安全確保を優先することになります。身体的DVや脅迫がある場合は、地方裁判所への保護命令の申立ても重要です。6か月間の子どもへの接近禁止命令が出ると子どもを含めた安全確保ができます。

DV被害者の方は、どこに相談してよいかすらわからない方も少なくありません。
内閣府のサイト「DV相談ナビ」に電話すると、最寄りの相談機関を音声案内してもらえます。相談機関につながり、安全な避難方法をしっかり考えることが大切になります。


※1 本コラムは法律コラムの性質上、弁護士の守秘義務を前提に、事例はすべて想定事例にしており、特定の個人や事件に関する記述はありません。

※2 当事務所では、子どもの利益(安全・安心)を最優先に考えるため、ご夫婦のどちらからの相談も受けています。特に子の連れ去り・引き離し事件に関しては、お子さんと離れてしまった側、お子さんと一緒にいる側、いずれの相談もお受けしていますが、子どもの利益を最優先に考えています。

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