法律相談ちょっとした工夫~「聞くこと」と「聴くこと」
法律相談ちょっとした工夫~10分・15分のクイック相談
法律相談は30~40分が時間の目安ですが、最近は10分・15分の短時間のクイック相談も出てきました。
たとえば、札幌弁護士会のホームページを見ると、「ハロー弁護士相談」という15分の弁護士による電話相談があり、「電話で15分程度の法律相談に応じます。また、法律問題かどうか分からない時も、お気軽にお電話を。」とあります。(札幌弁護士会ホームページから引用)
さらに不定期ですが、弁護士が出むいて行う「街かどクイック法律相談会」を予約不要で実施しているようです。
「相続や遺言、離婚、借金、交通事故など、相談の内容に限定はなく、どんな些細なことでもご相談いただけます。お一人様15分程度のご利用で、事前のお申込は一切不要です。あらためてじっくり時間をとって弁護士に相談したいという方には、・・新さっぽろ法律相談センターのほか、札幌弁護士会がご用意する様々な法律相談窓口についてもご紹介いたします。「弁護士に相談をしたいけれど、どこに行ったらいいかわからない」という方など、新さっぽろでのショッピングやお食事の際に、ぜひお気軽にお立ち寄りください」
と案内チラシにはあります。
弁護士相談への敷居を下げるための工夫(出向く、無料、予約不要)がされていることがわかります。
本格的な法律相談の手前で、どこへ何を相談すればよいかのヒントや手掛かりを得るためには有用だと思います。またすぐに簡潔な回答だけほしい、ちょっとした疑問点などの解決にも利用できそうです。
また、日弁連交通事故相談センターでは面接相談に加えて、10分程度の電話法律相談を行っています。
「交通事故に精通した弁護士による電話相談です。直接弁護士から具体的なアドバイスを受けることができます。相談は、お一人様10分程度となります。そのため事故や被害の状況などを詳しく伺うことができませんので、電話での回答が困難な内容、例えば、損害賠償額の算定や過失割合の判断などの場合は、面接の相談をお願いしております。」(日弁連交通事故相談センターのホームページから引用)
複雑な内容の相談は面接相談の利用を促し、どこに何を相談していいかわからない、何から始めたらよいかわからない、といった手続き上の混乱状態の方や、簡潔な情報提供を求める方などの相談が多いようです。
電話で10分程度の相談ですから、何に困っていて、どこにつながれば具体的解決が可能か、入り口で戸惑っている方のお手伝いをするコンシェルジュ的なワンポイント相談と言えるかもしれません。
これらは目に見える形でクィック相談の形式をとっていますが、通常の法律相談も、骨組みはこの10分から15分に凝縮されているとも言えます。
「何に困っているのか」、「どう解決すればよいのか」、入り口部分でのコンシェルジュの腕の見せ所なのかもしれません。
※ 本コラムは法律コラムの性質上、弁護士の守秘義務を前提に、事例はすべて想定事例にしており、特定の個人や事件に関する記述はありません。