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子の引渡し・連れ去り事件③ 警察への相談

川﨑政宏

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テーマ:子どもをめぐる法律相談

子の引渡し・連れ去り事件③ 警察への相談

別居・離婚の紛争中に、一方配偶者により子どもが連れ去られたり、あるいは留め置きにより引き離されてしまった場合、自分で探す一方で、警察へ通報される場合が少なくありません。

捜索願については、警察の生活安全課が窓口となります。

いつから、どのような状況で所在がわからなくなったか、きちんと通報、相談しておくことが大切です。

別居中・離婚協議中のご夫婦間で事件が起きた場合、通報を受けた警察としても、離婚前のご夫婦であれば、父母いずれもが親権者であり、親権者の一方が、他方親権者のもとから子を連れ去ったとしても、一方の親権者のもとで監護養育されていることが確認できれば、それ以上子どもを元へ帰すよう、介入することはしません(もちろん、暴力的な態様の悪質な連れ去り事件は一方親権者による場合でも略取誘拐事件として検挙される例もあります。)。本来、離婚前のご夫婦が別居するにあたり、どちらが子を監護するかは二人が協議して決めるのが原則だからです。協議ができない場合は、家庭裁判所で監護者を指定してもらう手続き(調停または審判)をとることになります。

したがって、警察は子どもの安否確認ができれば、それ以上は夫婦間でよく話し合ってください、という対応になります。

ただ、第三者により連れ去られたり、数名の協力者とともに連れ去りが行われたような場合、また子どもが転々と連れまわされているような場合は、まず警察による安否確認を行ってもらうことは大切です。ためらわずに警察に通報することは意味があります。

事件の内容にもよりますが、暴力的場面の中で、子の連れ去り、引き離しがなされた場合は、通報により駆け付けた警察官が、夫婦それぞれを分けて事情を聴くなかで、子どもを安全な側(暴力を振るっていない側)に引き渡すことを説得してくれることもあります。

一方、DV被害者が子を連れて安全な場所に避難するときに、警察に捜索願を提出されて居場所をつきとめられるのではないかと不安に思う方もおられます。

DV・虐待について取り扱うのも警察の生活安全課ですから、避難前に警察の生活安全課にDV被害相談を行っておけば、捜索願不受理の手続きについても教示してもらえます。DV被害者と子がいなくなったことを知ったDV加害者が警察に捜索願を提出しても、先に警察は事情を把握していますので、安否は確認できていること、安全な場所にいることだけを伝えて、それ以上は答えられないと対応してくれます。

問題は、警察が介入できないとき、当事者の方は次にどう動いてよいか、どこに何を相談してよいかわからず、途方に暮れることが多いです。ネット情報をもとに、必死で対応される方にも多く接してきました。10年ほど前は子を連れ去られた際の手続きが十分知られておらす、情報収集だけでも苦労されていた方が多かったようです。

そうした意味で、緊急場面での情報提供になればと思い、さらに筆を進めたいと思います。

※1 本コラムは法律コラムの性質上、弁護士の守秘義務を前提に、事例はすべて想定事例にしており、特定の個人や事件に関する記述はありません。

※2 当事務所では、子どもの利益(安全・安心)を最優先に考えるため、ご夫婦のどちらからの相談も受けています。特に子の連れ去り・引き離し事件に関しては、お子さんと離れてしまった側、お子さんと一緒にいる側、いずれの相談もお受けしていますが、子どもの利益を最優先に考えています。

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川﨑政宏
専門家

川﨑政宏(弁護士)

ももたろう第2法律事務所

ケースワーカーとしての長年の経験を生かし、相続や離婚など家庭内のトラブル解決に多く関わっています。特に、子どもの親権や面会交流、連れ去り・引き離しなど緊急案件への迅速解決には実績があります。

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