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【深刻】結婚と宗教問題【リアル目撃談】

若松慶隆

若松慶隆


これは絶対学校では教わらないお話です。
でもかなり大切で多くの人に知ってほしいお話です。

私は仕事柄、「結婚は当人同士が良ければ良い」「愛さえあれば宗教など関係ない」といった言葉がいかに綺麗事かと思わされる場面を何度も目撃して参りました。
(無宗教という選択肢も含めて)宗教が付きものの冠婚葬祭の中で、特に葬は潜在化された問題が顕在化しやすいと思います。
そこで典型例を基に、なぜそのような問題が起きるのか、どうすれば防げるのか、など私の考えも交えてお話いたします。

➀典型的トラブル例
➁問われる宗教リテラシー
③宗教二極化する現代人
➃トラブル予防法



➀典型的トラブル例

同じパターンに何度か出くわしましたので、その事例をご紹介します。
画像のような家系「鈴木家」とします。
・この度、鈴木A男さんが亡くなられました。
・葬儀は鈴木家代々の仏式(真言宗)で執り行います。
・しかしA男さんの息子の嫁さんB子さんは「“宗教上の理由により”葬儀には参列できない」と言い参列しませんでした。
・B子さんだけでなく、その子供のC子ちゃん・C男くんも参列させませんでした。

そこで起きる問題がこちら。
・鈴木家の親族はB子さんに嫌悪感を抱く。
・“B子さんの都合で”おじいちゃんのお葬式に出られない孫。かわいがっていた孫に参列してもらえないおじいちゃんA男さん。
・怒りの感情が噴出し、親族を巻き込んでのトラブルに発展。
・最も板挟みになるのはB男さん。妻を取るのか鈴木家を取るのか難しい選択を迫られることに…。


➁問われる宗教リテラシー

こうなって初めて宗教の現実を思い知るのが多くの現代日本人かと思われます。
公教育での宗教は完全にタブーですし、修学旅行で「特定の宗教施設にうちの子を行かせるな」と言う親も居る今日です。昔は家庭内で伝わっていた大まかな情報も核家族化とともに薄れ、なかなか宗教の知識は得にくい状態にあります。
また「無宗教」という言葉が独り歩きして久しいです。

これから結婚する人達はもちろん、今では親世代も「こんな結婚は反対だ!」と言う方も少なくなりました。
無宗教と一口に言っても、
・単に宗教に関心が無く触れたいとも思わないという意味での無宗教なのか、
・宗教学をある程度知った上で無宗教を選ぶのか、
両者は全く意味合いが異なります。
やはりある程度の知識は持っておくべきだと思うのです。



③宗教二極化する現代人

「宗教離れ」が叫ばれる中でなぜこのような問題が起こり続けるのか、私は「宗教二極化の傾向」が一因だと考えています。
➁の通り宗教に無関心な人が多くなっている一方で、一部宗教信者はますます先鋭化していると肌で感じます。
先の鈴木家の例で言うと昔は、B子さんは個人的に○○教を信仰するが、それは個人の範囲内の行ないに留めて、鈴木家の冠婚葬祭では鈴木家のしきたりに従う。B子さんが○○教を信仰していることを鈴木家側は(仮に良くは思っていなくても)黙認。
そんな感じで割とお互い大きくギクシャクしない程度で緩やかな印象でした。
実際に拙寺の檀家さんにもそういった家庭はいくつもあります。

しかし今は極端になっている印象です。
他の宗教を一切認めない。
(子供も入信させる)
宗教に関心を持ってない人が、その先鋭化した人と一緒になると言いなり。
そういった二極化が目立ちます。

科学で解明できないものがある限り、また社会が複雑で生きにくくなっているからこそ宗教に頼る人は存在し続けるし、新たな宗教団体も出て来ると考えています。


➃トラブル予防法

「あなたの宗教は何ですか?」 と、結婚を視野にお付き合いしているお相手に聞くのは失礼だと思いますか?
国によっては相手を理解するために初対面でも聞くのは普通のことだそうですが、そうでないのが日本人らしさなのかもしれません。

聞き方とシチュエーションさえ間違わなければ「失礼ではない」ましてや「差別ではない」です(これを差別と封殺するのは逆差別、聞かれて困る宗教やっている一部の人が煽っているだけです)。ハラスメントにもなりません。
相手を尊重するからこその話です。答えがどうであれ聞かないことには何も進むものがないですし、後で大きなトラブルになるよりよほどマシです。
もしそこで宗教問題になったら…、ご縁が無かったと諦めるか、覚悟を持って受け入れるか、妥協点を探るかはその人次第です。
繰り返しますが、未然のほうが絶対に良いです。

ちなみに私は直接的な質問をしなくても会話の中で相手の宗教はだいたい分かります。でもそれは私が僧侶という仕事を何年もしているうちに知識を蓄えたからであり、他の仕事をしていたらおそらく無理だと思います。

私が言いたいのは「無宗教でもいいからもっと宗教の知識を身につけてほしい」ということです。自分を守るためにも他人を守るためにも。
人を幸せにするはずの宗教が人を不幸にもします。
宗教リテラシーを上げることでより良い家庭づくりができると考えます。
(この度は上から目線な話ですみませんでした。最後までお読みいただき誠にありがとうございました。)

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若松慶隆
専門家

若松慶隆(住職)

朝日寺

元銀行員という異色の経歴を持つ住職。多様な価値観でそれぞれの家庭事情に真摯に向き合い葬式や法事などを執り行う。寺の歴史や伝統行事などをHPやSNSで情報発信し、檀家外の人も集う開かれた寺を目指す。

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