【うまく維持されているみなし墓地例】続・全く大手メディアが報じない墓じまいの実態【岡山田舎版シリーズ】
これは断言できます。
『何の悩みも困りごともない方はまず居ません!!』
私も悩む事は全然あります。
稀にどんなネガティブなことでもポジティブに受け止められる性格の方は居られます。また、端から見て「何もかもうまく行っている“ように見える”方」はたくさん居ます。しかしそういう方も人に言わないだけで何かを抱えて生きています。隣の芝生は青く見える。
なぜ私がこう思うようになったかは単にこれまでの僧侶経験にあります。
「誰にも言っていないのですが実は○○でして…」といった相談は実に多いです。個人のこと、家庭親族のことなど内容は様々です。
なので私に言わせれば、
「なんで自分だけが…」という人に「先祖の因縁が…」などという宗教は、悩む人をカモにするだけの詐欺ビジネスです。
自分だけが抱えているように思える悩みを周りに言うのは恥ずかしい、変に思われそう、言いたくない、言えない…そういった気持ち、そして他人には平静を取り繕いたい気持ちはよく分かります(私もそれです)。
でも、一人でいいので弱音や愚痴をさらけ出せる人を持っておくことは大切だと思います。そうでないと本当に一人で抱え込んでしまいます。
「周りにそんな人が誰も居ない」という方は、相手がお坊さんであっても全然構いません。それが仕事のひとつでもありますので。
もちろん守秘義務の順守、相手を傷つけない言動には細心の注意を払います。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「そんなの綺麗事やろー!」と思われた方へ、ここから先は(説得力向上のため)やや重たい話をします。
若くして病気や不慮の出来事で家族などを亡くされた方。
いくら「みんな何かを抱えている」と言われても響かなくて当然と思います。
そこで参考までに私の先輩住職が行なった調査を拝借します。
檀家約600軒の10世代分の過去帳を徹底的に調べた。
すると10世代全員がいわゆる寿命で亡くなっているお家は1軒もなかった。
どこかの時点でどのご家庭にも災難は起きている。
なので統計学的に見て、何の災難もなく代々続いているお家はほぼゼロと言ってよい。
なので「自分だけがなぜ」「なぜうちがこんな目に」というのは長い目で見れば無い。
とのことです。
加えて「神は乗り越えられる試練しか与えない」という言葉があります。
私の先々代はそういう方に、
「貴方は強い。強いからいま試練を与えた。」
「貴方なら必ず乗り越えられる。乗り越えれば一回りも二回りも大きくなる。」
などと申しておりました。
再度申しますが「先祖の因縁が…」などという宗教は、悩む人をカモにするだけの詐欺ビジネスです。
最後に、私がこんな考えに完全に行きついたのはホンの2~3年前のことです。
それまでは一人でストレスを抱え込むばかりでしたが、『何の悩みも困りごともない方は居ない』と思うようになってからは随分日々の暮らしが楽になりました。
参考までにぜひ。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。



