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墓石は化石か!?~供養のあり方~【一住職の私論】

若松慶隆

若松慶隆

朝日寺霊園
近年永代供養や納骨堂、樹木葬、散骨など祭祀方法が多様化しており、一般的なお墓を建立する方が減っています。墓石は化石となってしまうのでしょうか。
≪結論!≫ 『お墓が減ることはあっても、無くなることはあり得ない』と私は考えております。
それはなぜなのか、以下ご説明致します。

➀なぜ祭祀方法が多様化しているか
➁それを扇動するマスコミ報道
③それでもお墓は無くならないと思う理由
➃生き残りをかける石材店業界
➄お坊さんとしては何が出来るか



➀なぜ祭祀方法が多様化しているか。
瑠璃光廟
「少子化で人口が減っている→お墓を継承出来ない家が増えている→他の祭祀方法が増えている」のは当然の事であり、そこで出現した概念が永代供養です。
集合型のお墓(永代供養墓)や、5年10年更新契約式のお墓、樹木葬、散骨…。お墓を維持出来ない方の受け皿は多様化しています。
しかしここで問題だと思うのは、お墓を祭ることが出来る環境にあるにも関わらず、錯綜する情報に踊らされて、安易に永代供養をしようとする方も増えていることです。
(これについては以前のコラム『墓じまい報道の真相』で詳しく説明しておりますので、そちらもご参照下さい)

➁それを扇動するマスコミ報道
私個人的には正直、『マスコミは日本からお墓を消し去りたいのか』と思うような首をかしげる報道が目立つと感じております。「『お墓=子や孫の負担』という印象を植え付ける」「『永代供養をした人の良い意見』ばかりを報道してそちらに扇動する』かなり偏った報道の仕方が多いです。
代々のお墓を我が家の誇りとし、大切に供養し、子や孫を連れてお墓参りすることが幸せのバロメーターとしている方は今なおたくさん居られます。そういったお墓の尊さに触れる報道もして欲しいものです。

③それでもお墓は無くならないと思う理由

このままお墓は減少傾向にはなるでしょう。
でも決してゼロにはならないと思っております。先に述べたようにお墓を幸せのバロメーターと思っている方々の心はそう簡単に崩れるとは思えないからです。
(東京の青山霊園にお墓を持つことは名家の証、のようなケースもあります)
おそらく、永代供養で良いと考える方と、お墓を維持したい方のすみ分けがなされつつあるのが今日だと思います。
もう一度言いますが『お墓は無くならないです』。

➃生き残りをかける石材店業界
お墓が減ればお仕事も減ってしまうのが石材店です。石材店の数は減少傾向にあります。
でもです。お墓の需要が減ってもゼロにはならない限り石材店もゼロになることはありません。生き残りをかけて石に心の祈りを刻んでいます。
そこで私が思い浮かぶのは『お寿司屋さん』。
回転ずしの出現で、既存のお寿司屋さんは大打撃を受けました。が、回転しないお寿司屋さんも減りはしても、生き残るお店は生き残っています。
それと同じことが石材店にも言えるのではないでしょうか。

➄お坊さんとしては何が出来るか
小坊主
先述の通り情報が錯綜していますので、中立的にその人その家に合ったアドバイスが出来るよう、常に知識を深めること、悩みにじっくり耳を傾けること、私から見て良心的だと思う石材店さんの紹介…etc 対話を重視して参りたいと思っております。(了)

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専門家

若松慶隆(住職)

朝日寺

元銀行員という異色の経歴を持つ住職。多様な価値観でそれぞれの家庭事情に真摯に向き合い葬式や法事などを執り行う。寺の歴史や伝統行事などをHPやSNSで情報発信し、檀家外の人も集う開かれた寺を目指す。

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