【うまく維持されているみなし墓地例】続・全く大手メディアが報じない墓じまいの実態【岡山田舎版シリーズ】
お仏壇を新しく購入された方に、いつもする私のお話をご紹介します。
いわゆる新家(しんや)の方が新しいお仏壇を購入されたり、引っ越しに伴い住宅事情でコンパクトなお仏壇に買い替えたりすることがあります。
その場合、開眼供養(かいげんくよう)と言う『仏さまに魂を入れる作法』をご依頼されます。
そこで、お聞きします。
「この度は新しいお仏壇をなぜ購入されましたか??」
「おそらく『大切なご先祖様の位牌を祭るため』と思われている方が多いのではないでしょうか?」
と問いかけますと、皆様一様に大きく頷かれます。
でも実はこれ、答えは「NО」なのです。
正解は『お仏壇とはあくまで信仰の対象となる本尊を祭るためのものであり、お位牌はその仏様に守ってもらう物である。』といった感じでしょうか。
まず知って頂きたいのは『お仏壇は位牌置き場ではない』ということです。
(位牌置き場としてなら棚とかで役目は果たせますので。)
真言宗なら中央に本尊として大日如来。
脇待(わきじ)として左に不動明王、右に弘法大師。
それぞれの像、または掛け軸がお仏壇の奥に鎮座します。
(十三仏の掛け軸ひとつで代用する場合あり。)
そこで、なぜ真言宗はこれらの仏様なのか、またこれらの仏様がどういった役割をしているのか。
このことについてはその場ではザックリお話しすることもありますが、(実際にははっきりしていない面もあり、人によって見解が分かれるところもあり、)文章に起こすと大変長くなりますので、そのお話はまた今度ということにさせて下さい。
なので、『まだうちでは亡くなった人が居ないので仏壇は置いていない』というのは本来の意義ではないわけです。実際亡くなった方は誰も居なくても、心のよりどころとして仏壇を置かれている新家も存在しています。
繰り返しますが、お仏壇とは信仰の対象となる仏様の『お堂』なのです。
ぜひこれを理解した上で、これからも大切に日々ご供養していって頂きたいです。
お仏壇とご先祖様を大切に…。
合掌
【追伸】
お仏壇でもお墓でも、開眼供養の際に差し出すお布施の金封の水引きは『紅白』が正しいです。
いわば新築祝いと同じようなもので、新調することは仏事においても祝い事なのです。
ぜひ豆知識として頭の片隅に入れておいて下さい。