新しい日本に期待
「ゆるブラック」企業とは、残業は少なく待遇もよいのに、
スキルやキャリアを高めづらく、士気の低い職場のことで、
若手世代は自分の会社が「ゆるブラック」と感じれば、離職してしまうことが多いという。
(出典:オープンワーク協力のもと日経新聞が調査2024.9.20)
会社としては、待遇や残業など職場改善をしているのに、
なぜ若手は突然辞めてしまうのかと悩んでしまうそうです。
一体何が問題なのでしょう?
若手社員に限らず、全ての社員の会社への「エンゲージメント」が高いかどうかだと思われます。
「エンゲージメント」は、「契約」「約束」「誓約」などを意味する言葉で、
ビジネスにおいては、社員の会社への「愛着」や「思い入れ」を意味します。
「エンゲージメント」が高いと社員の愛社精神だけでなく、貢献意欲や業績アップにつながるため、
「エンゲージメント」を高めることは、重要な経営課題の一つといえます。
では、どうすればこの「エンゲージメント」を高められるのでしょうか?
それには、『働きやすさ』だけでなく、『働きがい』を高める必要があります。
今回の「ゆるブラック」企業は、社員の『働きやすさ』を高めることはできていますが、
『働きがい』を高められていないと思われます。
ここからは私見を述べさせていただきますが
あくまでも私の個人的な見解なので、これを読んでくださる方も
1つの意見として参考程度に読んでいただけるとよいなと思います。
若手社員は、『働きやすさ』だけでなく『働きがい』つまり『やりがい』を求めています。
でも若手の社員に、やりがいを感じられるような大きな仕事を任せられるでしょうか?
答えは「ノー」です。
やはりまずは基本的な仕事を経験させ積み重ねる。
そしてその人の成長に合わせながら、少しずつ難しい仕事を与え、
失敗を繰り返しながら成長させていく。
人を育てるには、この方法しかありません。
日本企業の新卒至上主義やインターネット等により知識豊富な頭でっかちの若手社員は、
自分たちは入社直後から「デキル社員」だと勘違いしているのだと思われます。
しかし、実際の仕事はそんなに甘くありません。
頭で考えていたほど仕事はできないことに、彼らは気づいていないのです。
仕事ができないのに、大きな仕事を求める若手社員をどう扱えばいいのでしょうか?
その方法の1つとして、1on1が挙げられます。
1on1で、若手社員の不安な気持ちを払拭し、
彼らの成長を会社として、上司としてどうサポートしていくかを
一緒に考えてあげてください。
入社直後から、上司と定期的に1on1を実施しましょう。
1on1では、上司が話すのではなく、部下が話をします。
上司は主に傾聴するだけです。
部下が何を不安に思っているか、この会社で何をしたいのか、どうなりたいのかを
少しずつ時間をかけて、じっくり聞いてあげてください。
本人が望めば、アドバイスも必要ですが、
本人が望んでいないのにアドバイスすることは厳禁です。
時間をかけて信頼関係を結べば、部下は上司を信頼して
本当の気持ちを話し、相談するようになります。
その関係ができれば、部下から上司にいろんな相談がされるでしょう。
その時には、上司として、人生の先輩として、アドバイスをしてあげてください。
また、いくら若手社員だとしても、チャレンジングな仕事が全くないのでは成長できません。
本人と相談の上、少しレベルの高い仕事を与えることや社内公募的な仕事に挑戦させてもよいかもしれません。
また、彼らは基礎的な仕事をバカにしがちですが、基礎的な仕事ができなければ、
その先の仕事もできないのだと伝えることも必要です。
時には先輩と一緒にレベルの高い仕事を与えて、
失敗を経験させることも学びになるのではないかと思います。
『働きやすさ』と『働きがい』の両方を社員に与えることが「エンゲージメント」を高めます。
実は、これは若手社員に限ったことではありません。
全ての社員に必要なことなのです。
職場環境を整えることに加え、全ての社員の声に耳を傾ける経営こそ、
「エンゲージメント」を高め、それが経営を順調に進めることにつながるのです。
時代が変化し、難しい時代になったと思われるでしょうが、
社員の一人ひとりの成長を会社が支援することが、まわりまわって会社の成長につながるということです。
自分の会社が「ゆるブラック」かもしれないと思った経営者の方、
ぜひすぐにでも実行することをオススメします!