真の「心理的安全性」とは

「心理的安全性」という言葉があたりまえのように知られるようになった現在の日本ですが、
どうもその意味を取り違えているのではないかと思われることが多いです。
なぜなら、近しいところでは、鹿児島県警本部長の不祥事隠蔽を告発した前部長、
兵庫県知事のパワハラや物品の授受などを告発した元幹部など、
正直ものがバカを見ることがあまりにも多くないでしょうか？

組織を良くしようと内部告発しようとした人が報復されたり、
希望しない部署へ配置換えになったり、退職を余儀なくされたり。
中には兵庫県の元幹部など、悲しいことに自殺してしまった人までいます。
なぜ正しいことをした人がこのような目に遭わなければならないのでしょう。

以前のコラムにも書いたことがありますが、
上に立つ人は、権限を持ちます。
ですが、権限を使えば使うほど、部下は苦しむことになります。
上司たるものそれを理解し、節度を持って権限を正しく使わなければなりません。
それだけでなく、上司は部下の進言を受け止める必要があるのです。
部下の言葉を聞けない上司がいる組織は滅びます。

いかがでしょうか？
前述した方々がいた組織は、まさにその滅びかけた組織なのです。
上記の発言をした太宗は、唐の時代にすでに「心理的安全性」の意味を理解していました。
本当の意味の「心理的安全性」とは、メンバーお互いの長所や短所を受け入れ、カバーし合える組織です。
さらに、言いにくいことも発言でき、間違いを間違いと指摘でき、
そしてそれを受け止め、是正していくことができる組織なのです。
内部告発を力によって抑え込み、誰も権力を持った自分に刃向かえなくなった組織は
まさに「心理的安全性」の真逆の組織と言えるでしょう。



人は誰でも間違いを起こします。
それを指摘してくれる人こそ、自分を成長させてくれる人物です。
そのことを肝に銘じて、上司たるもの人の上に立つべきです。