理想の上司像とは
最近の経営者や人事担当者の目下のお悩みは、
今まで普通に働いていると思っていた社員が突然「辞めたい」と言ってくること。
すなわち「離職率の高さ」と若手社員の「定着率の低さ」だと思います。
細かいことを挙げればキリがないですが、
このお悩みについて、大きく分けて2つ原因があります。
1つは、『コミュニケーションの問題』です。
離職する本人側の問題もありますし、
上司や周辺の方側のコミュニケーションに問題がある場合もあります。
問題があると感じていても、それをそのまま放置していると
「突然の退職」となってしまうことも今の時代、稀ではありません。
では、どうしたらよいのでしょうか?
上司と部下だけでなく、同じ職場の人同士の相互理解が必要です。
そのためには、日頃からコミュニケーションを重ねる必要があるのです。
アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスの提唱する単純接触効果によると、
会う回数や話す時間が多いほど、人は親しみを感じ、信頼するようになります。
日常の挨拶や雑談、上司と部下の1on1や相談などで
少しずつ時間をかけて、信頼関係を築く必要があるのです。
もう1つは、『適材適所』ができているか、
あるいは今の仕事に納得感があるのか、ということです。
働いて最も幸せなのは、本人が今の仕事を
「とても楽しい」「自分に合ってる」と感じられることです。
でもそれが全ての社員に対してできるかと言えば、難しいでしょう。
現在は「人的資本経営」の時代です。
社員一人ひとりのキャリアを会社が一緒に考え、投資する必要があります。
本人が自分のキャリアをどう考えているか、何が適性なのかを一緒に考えていくことで、
たとえ今は本人の望む仕事ではないとしても
将来のキャリアのために必要なスキルや知識を得るためであると会社が説明してくれたなら、
本人も納得して仕事に熱心に取り組むことでしょう。
少子高齢化の時代。
若手はますます少なくなり、
新卒が全然入ってこない企業もこれから増えていくことでしょう。
そうなった時に焦っても間に合わないのです。
今いる人財をどう育て、どう活かしていくか、
優秀な人財にいかに長く活躍してもらうかを考えることが
経営を長く続けるために早急の問題ではないでしょうか?