経営の最後は「人」です
ダイハツ工業の不祥事が大きなニュースとなっていますね。
少し前はビッグモーターのことも大きな話題になっていましたが、
今回の件はそのビッグモーターより酷い話かもしれません。
売れる商品の条件とは、もちろん商品の品質が高いことや使いやすいことはもちろんですが、
その最も高い位置に「安全」があると思います。
特にダイハツ工業の場合は「人の生死」に直結する部分の不正でした。
長い間そんな重大な試験結果を捏造させるほど、社員を追い詰めていた経営側。
これでは社員を大切にできていないばかりか、
よい商品を作れるわけがありません。
トヨタには「現地・現物」という考え方があるといいます。
(起きた事象に関する情報を徹底して集め、その中から意味のある情報(真実)を捉える。
そして、それを基に解析を行って有効な解決策を見いだす。)
製造業のトラブル対応には特に必要な考え方で、トヨタ以外の企業でも広く実践されているようです。
もしその理念までがトヨタと提携したダイハツ工業に浸透していたら、
少なくとも提携時には明らかになっていたかもしれません。
ダイハツ工業の最も古い不正は1989年。
まさに、日本企業の「失われた30年」と同時期に行われてきました。
これからの日本企業は、この30年間の「よいものを安く売る」から
「よいものを高く売る」ことでメイドインジャパン商品だけでなく、
日本企業そのものの価値を上げていく必要があるのではないでしょうか?
そのためには、やはりまずは「人(社員)」を大切にする経営から始めることです。
これからの時代、「人的資本経営」しかないですね。