子どもがいない夫婦の“これから”マネープラン⑤

三重野徹

三重野徹

テーマ:その他

大分で活動しているファイナンシャルプランナーの三重野徹です。

「子どもがいないから保険はいらない」は本当?



「子どもがいないから保険は最小限でいいでしょ?」
DINKs世帯の方から、よく聞く言葉です。
確かに、教育費のような大きな支出がない分、一般的な世帯より保障を軽くできるケースは多いのですが、
実は“別の視点”から手厚く考えておきたいポイントもあります。

今回は、「DINKsの保険は、どこを重視すればいいの?」という疑問にお答えする回です。
共働きで日々忙しいご夫婦こそ、ここで一度、保険の役割を整理してみましょう。

1. DINKsの保険で最初に考えるのは「死亡保障」より「生活保障」

子育て世帯と違い、パートナーに大きな死亡保障が必要ないケースが多いのは事実です。
しかし、DINKsにとってより重要なのは、実は以下の2つ。

① 病気やケガで働けなくなった時の生活費をどう守るか


共働き夫婦は、「どちらかが働けなくなったときにもう片方の収入で生活をカバーする」
という発想を持たれることが多いですが、実はそれが難しい場合もあります。

・今の生活水準が「二人分の収入」を前提にしている

・持ち家のローンが二人の収入を前提に組まれている

・治療費・休職中の生活費が想像以上にかかる

こうしたことを考えると、就業不能保険や所得保障保険は非常に相性がよい保険です。

② 長期入院・がんなど、生活が長く揺らぐリスクに備える


特にがんは、治療が長期化しやすく、仕事を続けにくい場合が多いリスクです。

・高額医療費制度で医療費は抑えられる

・しかし実際は「収入が減ること」が最も大きな負担

DINKs世帯は、二人で支え合う形が基本になるため、
「収入が止まるリスク」への備えが子育て世帯より重要になることもあります。

2. 死亡保障は「残されたパートナーの暮らし」から逆算


死亡保障が完全に不要かというと、実はそうではありません。
以下のような状況では、一定の保障は役に立ちます。

・住宅ローンを片方だけが契約し、団信がついていない

・持ち家を維持できるか不安

・葬儀費用や整理費用を負担させたくない

・パートナーが働ける状態とは限らない(介護・体調など)

ただし、子どもの教育費がない分、必要保障額は大きく下がります。

死亡保障の目安

葬儀費用(約100~200万円)

短期的な生活費の補填(1~2年)

住まいの確保に必要な資金

このくらいを目安にすると、過剰な保険料を払わず、必要な部分だけをカバーできます。

3. 医療保険は「長期入院」と「先進医療」のオプションを意識

DINKsにとって医療保険は、
「相手に迷惑をかけすぎないための安心材料」
として入られることが多いです。

基本のポイントは以下のとおり。

・入院日数の長期化に備え、長期入院に強いタイプが安心

・がん保険は治療が多様化しているため、通院・放射線・抗がん剤の保障を重視

・先進医療は「家計に大きな影響を与えないための保険」として有効

特に最近は、短期入院が増えていますが、がんなどは長期治療が当たり前になってきました。
仕事をしながら治療を続けることが難しいケースもあるため、
治療費以外の生活費までカバーする「収入保障型がん保険」も検討の価値があります。

4. 介護リスクはDINKs特有の重要テーマ


実は、DINKs世帯の老後で最も大きなテーマが「介護」です。
子どもがいない分、以下のリスクが高くなります。

・介護が必要になったとき、頼れる家族が限られる

・一人になったときの生活費が増える

・外部サービスの利用が増え、費用が大きくなる

特に、介護は長期化しやすいもの。
そこで、以下の保険が有効です。

・介護保険(民間)

・認知症保険

これらは、
「介護に備えつつ、パートナーに過度な負担をかけない」
という目的にぴったりです。

5. 夫婦で共通して決めておきたいのは“保険の役割”


保険を選ぶとき、最も大切なのは次の3つを明確にすることです。

① 何のリスクに備える保険なのか?

→ 医療・就業不能・介護・死亡、それぞれ目的が違う。

② いま加入しているものと重複していないか?

→ 特に会社の福利厚生と重なることが多い。

③ 夫婦で同じ価値観を共有できているか?

→ 「片方はしっかり備えたい」「片方は最低限でいい」などのずれを解消する。

保険は家計とつながるため、夫婦で話し合うと
“無駄なく、ちょうどいい保障”
に近づきます。

6. 最後に:DINKsの保険は「自分たちの人生を守る保険」


DINKs世帯にとって保険は、
“誰かのため”というより
“自分たちの人生を守るため”
という側面が強くなります。

保険は多くを求める必要はありませんが、

・働けないリスク
・長期治療のリスク
・一人になったときのリスク

これらにだけは、しっかり備えておくと将来の不安がぐっと減ります。

今回のテーマついて質問や相談がある方はみらいマネープランニングにご相談ください。 初回無料相談にてサポートいたします。


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三重野徹
専門家

三重野徹(ファイナンシャルプランナー)

みらいマネープランニング

ファイナンシャルプランナーとしてだけでなく公的保険アドバイザーとしても年金や健康保険、介護保険等といった公的な保障をアドバイスし、将来を見据えた「未来設計図」をお客様と一緒に作るお手伝いをしています。

三重野徹プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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