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松本麻衣子プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

患者様に大敵! ベッドやマットレスに潜む気管支肺アスペルギルス症

松本麻衣子

松本麻衣子

テーマ:病院や介護施設のベッド環境の管理

こんにちは。
今日は、カビのお話です。

免疫力が落ちた人は、感染しやすくなっています。
どこにでもいるアスペルギルスというカビが肺にすみつくと、咳や痰の症状がでます。
重症化すると死亡することもあります。
病室ではベッドまわりのカビ対策で防ぎましょう。


~免疫力が落ちてカビを吸い込むと肺にカビが生える~ 

入院している人は、何かしらの病気にかかっているため健康な人よりも体力が落ちています。

そこへ手術や強い薬剤を投与していればなおのこと免疫力は低下します。
薬剤や水分・栄養の補給や体液の排出をすることもあります。
また、入院することが多いのはやはり高齢の方が中心です。

患者さまは、ちょっとした病原体でも感染しやすい状態におかれているのです。

健康な人ならば、かからないようなことでもすぐに病気につながってしまうのは、病原体の侵入や増殖を防ぐ免疫がうまく機能していないのです。

院内感染とは、特別に恐ろしい菌やウイルスだけが引き起こすものではありません。
私たちの身のまわりにありふれた菌やウイルスが原因となっていることも少なくありません。
さらには、どこにでも生息しているカビが深刻な症状を招くことがあるのです。

カビといっても、その種類は8万種から10万種と大変多いのですが、実際に危険性があるものはせいぜい10種類ほどとされています。
病原性があり人に感染するカビで、まず思い浮かぶのは水虫の原因となる白癬菌でしょう。
足の指だけでなく股間部にも感染し、かゆみや傷みが生じます。

そして、免疫力が落ちた人が気をつけなければいけないのは、アスペルギルスというカビ。

お味噌などの発酵食品づくりに欠かせないコウジカビの仲間なのですが、ごく一部に感染力の強い種類がいます。

アスペルギルスは空気中にごく普通に存在する菌です。
1平方メートルあたりには、約1000個のカビが漂っています。
生活しているだけで、人は毎日1万個もの生きたカビを体に取り込んでいるのです。

弱っているところへアスペルギルスを吸い込んでしまうと、肺にカビがすみつき細胞を破壊しながらどんどん広がってしまいます。

症状ではわかりにくい気管支肺アスペルギルス症 
カビを吸い込んだことで健康被害を受けたときの初期症状は、次のようなものです。

微熱やしめった咳、そして痰です。

肺炎やぜんそくと誤認しやすいので、発見が遅れて重症化しやすいのがやっかいなところ。
進行すると血痰がでることもあります。抗生物質をのみ続けても治らなければ、気管支肺アスペルギルス症が疑われます。

早い段階でわかれば完治できますが、薬だけで菌を完全に除去することは困難です。

カビが増えると肺の機能が低下します。
呼吸が困難となり、最悪の場合で死に至るケースさえあるのです。時には、血流にのって肺以外の臓器に転移することも。

体内の環境はカビたちにとっては快適で過ごしやすい場所です。
たどり着いた先の臓器内で病気を引き起こすかもしれません。

何らかのカビが原因で亡くなる人は年間1000人ほどですが、うち半分はアスペルギルスが原因と言われています。
免疫力が低下している高齢者や入院患者さまにとって、驚きの数字ではないでしょうか。


~気管支肺アスペルギルス症に疾患する原因~

できるだけお近づきになりたくないアスペルギルス症ですが、免疫力が低下している以外でかかりやすいのはどのような人でしょう。

過去に肺の病気をされたことのある方は、気を付けましょう。

肺の病気にかかった過去がなくても、加齢やタバコで肺の奥に小さな傷ができることがあります。
傷んだ場所や病気が治ったあとの小さな穴やひきつれも、カビの好むスポットです。

また、免疫という点からは、免疫抑制剤を使って治療中、免疫が抑制されやすい病気の方も発症しやすくなっています。

こうした既往歴があれば、患者さま自身の努力では感染は防げません。
病院側で対策を取るために、院内の環境を清潔に保ち、カビの発生を防ぎましょう。

アスペルギルスはホコリや適度な湿気がある場所を好みます。
ホコリがたまりやすい壁際やマットレスなど、清潔にしておきましょう。

病院内では鉢植えや観葉植物でみつかることもあります。
エアコンのフィルターもホコリがついているようならば、生息している可能性はあります。

エアコン内部が結露することでカビは繁殖します。
その状態で運転すれば、室内にカビをまき散らし続けることになります。
フィルターは定期的に掃除し、使用後は送風モードで内部を乾燥させるようにしましょう。

空気のよどんだところにカビは繁殖します。
計画的に換気を取り入れることも効果的です。

そして、最も重要なのはベッドまわりのカビ対策です。

入院中、患者さまが1日の大半を過ごすベッドのマットレスにカビが生えていたら、始終カビを吸い込み続けることになります。

シーツで覆われていておろそかにしがちですが、いったんマットレスにカビが生えてしまうと素人では、取り去るのはやっかいです。

マットレスは、清潔を保つことでホコリやカビなどの菌、ウイルス、ダニ、嫌な臭いを元から除去することができます。

安心して通院、入院していただくためにもマットレスの洗浄をして、他院との差別化を図り、信頼度を高めていただきたいです。

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松本麻衣子
専門家

松本麻衣子(洗濯サービスほか)

有限会社 マツモト・メディカル

普段、洗浄することがない汚れたマットレスは、カビやダニや細菌の温床になりがち。免疫力が低下している方には、施設内感染のリスクも高まります。定期的な洗浄で、他の医療機関・福祉施設との差別化が図れます。

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