実店舗からヒントを得る!郊外出店のメリット
ファミリーマートのジム参入について
コンビニ業界で地位を確立している大手企業が、なぜ新規事業(フィットネス業界)への参入を考えているのでしょうか。理由は、コンビニ業界が飽和しつつあるから。コンビニ業界では、大手数社が国内シェアの9割を占めていて、企業の競争が厳しい状態にあります。また、コンビニへ行かなくてもネットで食品・日用品の購入が完結する時代になりました。コンビニの必要性が問われる時代になった現代に、事業が1つだけでは生き残っていくのは難しいでしょう。
そこでコンビニを運営する、ある大手企業(Aとしてます)は、健康への関心が高まり、ジムを利用する人が増加した今、ジム業界への参入を目論んでいるのです。ジム業界の市場規模は2016年の段階で約4,500億円。今後も十分に成長が見込める巨大市場で、このA企業以外にも、ジム市場に参入する企業が増えそうです。
既存事業・既存店舗を有効活用する着目点
では、どのようにジム業界に参入するのか。このA企業は既存の事業と店舗に着目しました。コンビニはワンフロアで経営されていますが、2階フロアを増設し、そこにジムを併設することで、来店人数と加盟店収入の増加を見込んでいます。新事業で利益を上げるだけでなく、有効的に活用することで既存事業の利益拡大も狙う。これが、A企業の狙いです。
このように、ビルの空室や空きスペースを圧用したビジネスが増加しています。特にフィットネスクラブは、大型のものだけではなく、女性専門などの特化型のジムも存在。特化型であれば、広い規模のスペースは必要ないため、空きスペースを借りてヨガやフィットネスジムを開設するオーナーも増えているのです。実は、フィットネスは他の事業よりも空室の有効活用に優れています。その理由は、用意する設備が比較的に少ないため。飲食店であれば、キッチンやお洒落なインテリア、水道費や光熱費など、設備に必要な資金は高額であり、用意するものが大変多くなります。ただ専門に特化したフィットネスであれば、少ない運動機器とシャワールーム等で済みます。A企業のような大企業でなくても、十分に参入可能な市場といえます。
収益の主軸はあくまで既存事業
とは言っても、収益源はコンビニです。新規事業を既存事業並みに展開するのには、それなりの資金と時間が必要。数年で1つの事業として確立できるほど簡単ではありません。そのため、A企業のように既存事業のコンビニと併設し、コンビニ事業の収益をアップさせる試みを行っているのです。これから新規事業を開拓しようと考えている企業の方は、既存事業を疎かにしてはいけません。既存の売り上げを利用して、新規事業を伸ばしていきましょう。
他業界で24時間フィットネスのフランチャイズを導入した事例
コンビニ大手のA企業以外にも、24時間フィットネスのフランチャイズを導入した事例がありあります。例えば、インターネットカフェを運営する会社などです。24時間営業の複合カフェとして有名なB企業が、カフェの運営で染みついた空間づくりと、お客さまに対する満足度の高いサービスを生かして、新しい形のジムを誕生させました。その他、飲食物の製造販売やアパレル事業を展開するC企業では、1階にカフェを併設したジムを運営しています。カフェでは健康的な料理が提供されており、ジムで体を動かした人が訪れます。健康への意識が高い人がジムに来るため、ニーズに寄り添ったサービスの提供を、カフェの併設で実現していますね。
まとめ
A企業がコンビニと併設してフィットネス事業を展開するように、既存事業を活用して新規事業としてフィットネスジムを開設する企業が増えています。市場規模が大きく、今後も伸び続けると予想されるフィットネス業界への参入が、今後も増えてきそうです。今後フィットネス業界への参入を考えている企業の方は、是非既存事業を活かした展開を考えてみることをオススメします。いきなり新規事業を収益軸にすることはできません。ですが、既存の事業を上手く活用すれば、軸になる確率はぐっと高くなるでしょう。