家は周囲への影響と住む人の品格を表すもの
川井秀一・京都大学名誉教授の研究論文より要約、
テーマは「健康には室内空気の質が大事」です。
中国では大気汚染が深刻な社会問題になっている。
中国やインドなどアジア大陸諸国の発展、工業化に伴い、大陸の汚染物質が偏西風に乗り、東に位置する日本列島の大気に及ぼす影響も気になるところである。
空気は人体の肺から直接血液中に取り込まれ、全身に運ばれる。
人間(成人)が摂取する空気量は平均15~20㎏/日、一方食物や水などのそれは3~5㎏/日である。
人の体内に取り入れられる物質の約85%が空気ということになる。
従って、植物や飲み水の質と同様、人の健康には、「空気の質」が大事である。
とりわけ、人間は睡眠や食事などを含め、一日のうち室内で過ごす時間が大半を占めるので、室内空気の質(IAQ)が重要である。
IAQには温度、湿度、汚染物資、微生物、電磁波などが関与している。
しかし、近年われわれの住宅に使われる材料は大きく変わり、それと共に居住環境も大きな変化を見せている。
コンクリート・ガラスなどの無機材料や鉄・アルミニウムなど金属、ビニール系の壁材、合成化学系の接着剤や塗料を用いたプラスチック系建材が増え、断熱性能や気密性は高いが、調湿機能がほとんど認められない住宅となった。
高断熱・高気密住宅と空調機の普及により、住宅の温度調節機能は飛躍的に向上した半面、適度な湿度や清浄空気質の保持がむしろ困難となっているのである。
このためいわゆるシックハウス症候群が増加し、健康問題が顕在化している。
詳しくはホームページ「あがの家・創生プロジェクト」をご覧ください。