小学2年生の九九学習から高学年の「単位あたり量」「割合」さらに湿度、濃度など中学レベルの物理計算まで公式暗記なしで学習できる教材を開発しています(特許出願済)
私には忘れられない記憶があります。あれは小学3年生の時、学校での出来事です。授業中ではなく、休憩時間だったと思います。担任の先生が突然私の席にやってきて、「杉田君あのね、新潟の潟はこう書くの。」と言って、紙に書いて見せたのです。私はいつも「潟」の右下を「勿」と書いていました。本当は「勹」に「灬」ですね。先生はわざわざそれを指摘しに来てくださったのです。ところが当時の私はそれが理解できませんでした。何度も先生に見本を見せられて紙に書いても、どうしても「勿」になってしまうのです。とうとう先生はあきらめて黙って去っていかれました。
それから数年たったある日、小学5年生になっていたと思います。ぼんやりと地図帳を見ていたとき、はっと気づいたのです。新潟のの潟は「勹」に「灬」なんだ!そして小学3年生の時の学校での出来事がよみがえったのです。
私は図形の認識能力の発達が遅い傾向にありましたので、小学3年生の時には「潟」の字が正確に認識できなかったのだと思います。やがて小学5年生の時にはそれが認識できる程度に発達していたと考えられます。このように子供は発達途上にあるため対応の難しいことがあります。
当時の私に対して指導するなら、黒板に私の手を持って「勹」に「灬」を書かせれば、もしかしたら理解できたかもしれないと思います。でも私が担任の先生だったとしてもとっさにその指導方法を思いつくとは限りません。あの時はこう指導すればよかったと後で思うことはよくあります。
子供の能力を「伸ばす」ということをよく耳にしますが、簡単なことではありません。一見発達したように見えても、そうではないことがよくあります。前回も書きましたが京都の立命館宇治中学では、「2025年度⼊試から・・・●英語資格については、⼩学 4 年⽣ 4 ⽉以降に受検・取得されたもののみ有効とします。」(同校HPより)と変更されました。大学受験でも優遇する場合は「2年以内の取得」を条件としている大学があります。
一見発達したように見えても、資格取得後にトレーニングを怠ったため能力が低下した例が多かったのだと思います。「英才教育」と称して無理なトレーニングをしても、メッキはすぐにはげてしましまいます。適切なスピードでコツコツていねいに学習した方が、大学や社会から高い評価を受けるのです。なぜなら子供の持つ基礎的な諸能力は外部から簡単にコントロールできるわけではないからです。
余談ですが、私はその後、新潟県出身の女性と結婚して今日に至ります。この出来事は死ぬまで忘れないと思います。



