通信販売の基礎を知ろう 通信販売の「売上の方程式」を理解する② アクセス数を伸ばすには?

小寺淳一

小寺淳一

テーマ:通信販売の基礎を知ろう

通信販売は先の売上を読める商売といわれています。  
通信販売には売上の方程式といわれるものがあり、
 売上金額 = 「アクセス数」 × 「転換率」 × 「客単価」
これに当てはめるとおおよその売り上げが予測できるようになります。
 例: アクセス10,000 × 転換率10% × 客単価3,000円 = 3,000,000円

ちなみにこの売上の方程式を理解すれば、「どこを強化すれば店舗の売上を上げることができるのか」が的確にわかるようになります。
全5回を予定しており、2回目は売上の方程式「アクセス数」についてしっかりとまとめていきたいと思います。

まず抑えたい!アクセス数を稼ぐ前に大事なこと

売上の方程式では「掛け算」で売上金額を算出するという特徴があります。
アクセス数を稼ぐには「労力」か、「お金」かどちらか(もしくは両方)をかける必要があり、特にお金は青天井で必要になる可能性があります。
転換率が「0」であれば「お金」を使ったアクセス稼ぎは無駄金になります。ここは大事なポイントです。そもそもお客様がいるのか、購入に至る状態なのか見極めが重要です。
筆者としてはまず「労力」でアクセスを稼ぎ、「転換率」が2~10%になってから「お金」をかけるのがよいかと思います。「転換率」については次回のコラムでまとめます。



アクセスを稼ぐ3つの力

筆者にとってアクセスを稼ぐ方法として大きく3つの力を使うと考えています。
「労力」  Twitter、Instagramなどの発信活動、ページ作成、営業活動による認知など
「金銭力」 ワード検索、広告の配布、宣伝活動など
「商品力」 商品が持つ集客力、ブランド力、購買意欲の湧く価格など
  ※先の項目の「お金」は、「金銭力」と「商品力」2つを指します。
お客様に「店」を、「商品」を「知る」→「興味を持つ」→「アクセス」の流れを3つの力をかけて行います。ではそれぞれの力にはどのような手段(=力のかけ方)があるかをまとめます。


「労力」について


来客

 発信活動

近年の傾向から、Twitter、Instagram、Youtube、Tiktok などでの発信活動の影響力は見過ごすことは出来ません。発信活動で得られたファンを誘導することで、安定したアクセス集客を見込めます。 ただし、ファンとしての興味と購入は別と考える層が多いことも理解が必要です。買いやすいリード商品と本命商品 使い分けが大事です。

 ページ作成

ネット上から検索をしてアクセスをするときに大事なのが、ページの内容です。
ページに書かれている文字の一致率などで検索がかかるかどうかが決まります。
見やすさから画像に目を行きがちですが、アクセス面では画像の説明プラスで説明内容をすべて文字におこすことで検索にも引っ掛かりやすくなります。

 営業活動の認知

ファンの獲得なら1人1人の確率が高いのはやはり営業活動です。(効率がとは言いません)
ブース出店や展示会出展など多くの人が来るところに商品を持って行って知っていただく活動にプラスしてネット店舗への誘導を行えばアフターフォローにもつながります。

「金銭力」について

 ワード検索

キーワードを設定し、キーワードの単価を決めます。 キーワードで検索がかかると入札形式で表示がされ、クリックをされると課金されるという広告の一種です。検索結果連動型(クリック課金型)広告で検索すると色々出てきます。 人気のキーワードになると1クリック(購入関係なし)で100円超えるようなものもたくさんあります。

 広告枠の購入

広告枠にもいろいろあります。目立つ枠から店舗・商品への誘導、セール枠を購入してセール商品に、など誘導方法はいろいろあります。 意図がはっきりしているものが多いので、アクセス効果が高いものが多いですが、費用が高いのも特徴です。転換率と客単価がしっかり機能していることを確認してから行いましょう。

 宣伝活動

人が注目・集中する場所・ネット以外の媒体で宣伝活動を行うことで直接的・間接的に自店舗のサイトに誘導する方法です。場所では電車内・駅・店舗・繁華街・イベントなど、媒体で言えばテレビ・ラジオ・看板など 確実に誘導できる検索ワードを設定して宣伝すると効果が見込めます。

「商品力」について




商品ラインナップにはそれぞれ役割があります。
「リード」 店舗の入り口に置いておく人を引き付ける商品
「本命」  いわゆる店舗の名刺代わりの商品、価格帯・ブランド次第でリードにもなる。
「品揃え」 店内を回遊して興味を持ってもらう商品



どの商売でも同じですが、アクセス・集客に苦しむ一つの原因にリード商品がないことがよくあります。
お客様も最初の段階では入口に立つ(店や商品を外から見るだけ)まではあるものの、入る勇気がない、入りにくいということが多くあります。まず興味を引きとりあえずかごに入れられるもの、これがリード商品になります。
リード商品には「買いやすい」「興味をひきやすい」の2つ両立したものが求められます。

買いやすい → 本命より値段が1段下の物(印象面では「1桁(けた)」下が理想)
本命が1500円くらいなら400~800円ぐらいのもの
興味をひきやすい → 人気ワード・印象(かわいいなど)・ブランド物など

リード商品でまず店内に入る(アクセス)・かごに入れる(転換率)
→本命・品揃え商品を見せる(客単価)
この流れで商品を見せると売上の方程式にきれいに当てはめることが出来ます。

リード商品は「アクセス数」と「転換率」両方を上げる大事な要素となります。

「アクセス数」のまとめ

アクセス数を上げるには3つの力の作用を理解し、今現状の段階を理解して対策を打つことが大事になってきます。
初期では
「労力」「商品力」で「アクセス数」を増やして、「転換率」「客単価」を徐々に上げていく。
ある程度大きくなれば
「転換率」「客単価」が高く安定してきたら、「金銭力」で「アクセス数」上げていく。
この流れをつかむと無駄にお金を使わず店舗を成長させることが出来ます。
初期に一気にお金をかけるとたいてい失敗します。商品が持つ転換率に確信が持てないからです。
お金をかけるタイミングさえ間違えなければ大損することはありません。焦らずスロースタートでもいいので、まず確実に転換率を上げてから行いましょう。

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