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通信販売の基礎を知ろう 通信販売の「売上の方程式」を理解する③ 転換率について

2023年3月31日

テーマ:通信販売の基礎を知ろう

コラムカテゴリ:ビジネス

通信販売は先の売上を読める商売といわれています。  
通信販売には売上の方程式といわれるものがあり、
 売上金額 = 「アクセス数」 × 「転換率」 × 「客単価」
これに当てはめるとおおよその売り上げが予測できるようになります。
 例: アクセス10,000 × 転換率10% × 客単価3,000円 = 3,000,000円

ちなみにこの売上の方程式を理解すれば、「どこを強化すれば店舗の売上を上げることができるのか」が的確にわかるようになります。
全5回を予定しており、3回目は売上の方程式「転換率」についてしっかりとまとめていきたいと思います。


転換率とは?

お客様が店舗のページに「アクセス」をし、その中から「商品をかごに入れる」を行い、「決済」をすることで「購入」に至ります。転換率は購入した回数をお客様の「アクセス」数で割った数値になります。

転換率を上げる基本について

転換率を上げるということは購入回数を増やすということになります。
「アクセス」から「購入」に至るまでには2段階踏んでいます。
先述したことを繰り返すことになりますが、「商品をかごに入れる」「決済」の2つです。
この2段階を深く知ることで転換率を上げることが出来ます。

〇アクセスから商品をかごに入れてもらうには

「アクセス」をしてきたほとんどの人が見るものは「トップページ」か「商品ページ」です。

トップページではいきなり商品をかごに入れることは出来ません(出来ても稀です)。
各商品ページにいかに進むかが問題になってきます。
トップページで取り組むこととして、オススメは以下の2つになります。
☆買いやすいリード商品を見せる
 →アクセス数を稼げる商品ページへ誘導する。ことで離脱を防ぐ
☆ショップの代名詞になりうる「本命」の商品を見せる
 →会社・ショップの理解度を深めて興味を持ってもらう。
トップページにアクセスしてきても、離脱をしてしまうとかごに入れてもらえません。
店舗内をできるだけ回遊してもらうことで、購買、理解につながるようにしましょう。

商品紹介ページで大事なこと

商品ページに誘導できれば、次は商品紹介に移ります。
ここで大事なのはきれいな画像もいいですが、いかに「商品内容を正確に理解してもらい」、「興味を引き」、「いる・いらないの判断を」してもらうかです。

〇分かりやすい商品パッケージ画像

1枚目の商品画像で一番大事なことは、商品パッケージがわかりやすく表示できているかどうかです。1枚目の画像は他商品との一覧にしたときに、お客様が選ぶときに参照する画像にもなります。 縮小して表示されても商品がわかるようにしておく必要があります。


〇商品を理解してもらう説明文章と画像

ここでの大事なこととしては商品を正しく理解してもらうことになります。
お客様が一通り画像・説明を見て次の方に説明できるような紹介がベストです。

TOP商品画像
導入     → 画像1枚で商品の特徴をつかめるもの、もしくは商品の特徴を読んでもらうために誘導できる問いかけなど
商品の特徴  → 3~4つに特徴をまとめ、1つの特徴に画像1~2枚がベスト。
長くなりすぎてもダメ
商品のまとめ → 使い方・成分・商品の注意点など
商品価格・送料
お得情報など → 複数購入割引や他の商品とのセット購入など お得感が沸くもの

画像は最低6枚 多くても10枚までには抑えましょう。多すぎると読んでもらえなかったり、伝えたい大事な部分がぼけてしまいます。
また商品説明文は、画像の内容を文章化するとよいでしょう。500~1000文字ほどを目安に記載するとよいでしょう。 商品説明をしっかり記載するとキーワード検索に引っかかりやすくなり、「アクセス」の伸びも期待できます。

〇商品理解の後に価格+送料を見せる

購入に至るまでに必ず通るのが「価格」です。お客様が商品をどのように理解しているかで「価格」が安いと思うか、高いと思うかの違いが出てきます。購入=転換率UPは「いかに安く感じていただくか」ここがとにかく大きなポイントになります。

 ☆オリジナル商品の場合


同等品・類似品の価格帯をしっかりと把握することがとにかく大事です。
売れない原因で一番多いのが、自社の都合で価格を決めていることです。
どれだけ優れた商品でもお客様が高いと感じれば商品は売れません。
同等品と比べてどれくらいの特徴差があるのか、特徴差を把握したうえで説明を行い、それでつけた価格が安く感じるのかどうかが大事になってきます。

 ☆オリジナル・もしくは他社でも同じ商品の取り扱いがある場合

購入するにあたって、必ず他社と比べることが出てきます。価格はもちろん勝負になりますが、他の要素としては
期間限定価格・セール   限定感
クーポン・ポイントによる お得感
送料の値段(無料も含む) お得感
発送・到着までの速さ   安心感・取得感
店舗の評判・商品の評判(店舗での) 安心感

様々な特別感を持ってもらうことで、お得に・安く感じていただくことが出来るようになります。

かご入れから決済をするには

かごに商品を入れるとお客様は商品を買う・・・というわけではありません。
支払という最後の関門がお客様を待っています。ここでお客様が購入せずに出ていく「かご落ち」と言われることが起こる理由としては「決断がつかない」「後で買う予定がある」「決済方法がない」などがあります。

〇「決断がつかない」「後で買う予定がある」への対策

今すぐ購入に至る理由が必要な場合です。
期間限定の価格・ポイントがあるとよい意味での焦燥感が生まれ、購買に結び付きやすくなります。 また対象限定のクーポンなど店独自の特別感が生まれるようなものがあると他と比べられにくくなります。

〇「決済方法がない」への対策

「かご落ち」の理由で一番もったいないパターンです。買うつもりがあるのに決済方法がないので買えないというのは今までの苦労をすべて無駄にするようなものです。
大型モールでは設定次第ですがあまり心配はないでしょう。問題は独自のECサイトの場合です。
決済方法はカードや携帯キャリア決済、IC系の支払い方法は80~90%の利用者(重複を含む)にも上り、次いでコンビニ決済もまだ数多く残っています。代引き・銀行決済はありますが、利用者がかなり減っています。
完全自社サイトの場合は豊富な決済方法が購入転換率に大きく寄与します。かご落ち(かごに入れるまで進んでいるのに、購入を断念すること)はかなりもったいないです。
決済手数料はおおよそ3~7%ですが、業者選定の際にクレジット不正利用時の対応については十分に調べる必要があります。 薄利多売に陥りがちのこの業界で、商品を発送した不正利用者分の支払いが取消されてしまった場合、数か月単位の利益が吹き飛ぶこともあるからです。慎重に決済代行業者を選びましょう。

転換率をについて まとめ

転換率を上げるにはいかに商品を見やすく・わかりやすく・買いやすい状況を作るかにかかっています。どれが欠けても購入になかなかつながらないのでそれぞれ大変な作業をする必要があるのですが、あえて注意点を上げるとすれば自社・自店の都合で設定しないことです。
いかにお客様が求める情報であるか、他の店舗ではどのような状況かなど、周りの情報をしっかりと集めてから自社の強みを比較して出すことを徹底すれば売れやすいページがつくれるかと思います。

この記事を書いたプロ

小寺淳一

個人や小規模事業者のEC開設・運営を支えるコンサルタント

小寺淳一(マーブルライフ)

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