(1)住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等-3省連携ワンストップ補助金
このコラムをアップする2024年6月下旬で、補助事業も折り返しを過ぎ残り5ヶ月となりました。
まだまだ間に合います。
お得な補助金を活用して、ご自宅の省エネ化を実現して下さい!
これまで、子育てエコホーム支援事業など、個別に説明してきました。
全体像が分かりにくい!と言う、ご意見もあります。
そこで、視点を変え全体を俯瞰した上で、改めてご案内します。
分かりやすいよう、Q&A方式としました。
1.そもそも、キャンペーンってなに?
住宅の省エネ化のために、一定の要件を定めて補助金を設け、広告・促進を行うものです。
2024省エネキャンペーンは、家庭部門の省エネを強力に推進するため、住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入等の住宅省エネ化を支援する4つの補助事業の総称です。
断熱と給湯の機能を高めると、大きな省エネ効果が見込まれます。
住宅の省エネ実現のため、普段は縦割りの各省が協力してタッグを組みました。
2.ワンストップ申請って、どんな感じ?
国交省、環境省、経済省の3省の補助事業を、一度の申請でとりまとめるものです。
申請では、本人確認や工事確認など重複部分が多いので、1回の入力と提出で済むのは助かります。
同様の方式は、「ふるさと納税」でも採用されています。
後述しますが、同じ補助対象でも事業が違うと、より高い補助額が設定されていることがあります。
申請の際、より高額な事業に自動的に振り分けてくれるのは、すごく親切です。
※ただし、2024年6月20日現在システムトラブルのため、個別申請となっています。
キャンペーンは2023年から始まっていますが、初年度はスムーズにワンストップ申請ができました。
3.キャンペーンのメリットは?
何といっても、各事業の併用が可能なことです。
一般的に、補助事業は同一契約や同一工期での併用ができません。
キャンペーンにより、対象建材・設備の性能等に応じて、補助対象が重複しなければ併用することができます。
要するに、各事業のいいとこ取りで、補助金をフルに活用できるのです。
活用例は次の通りです。
窓改修では、高額な補助金の「窓リノベ」をメインにして、要件クリアが難しい場合は「子育てエコホーム」で。
給湯機では、大形のエコキュートは高額補助の「給湯省エネ」で、小形のエコジョーズは「子育てエコホーム」で申請する、など。
※併用のさらなるメリット
子育てエコホームでは、開口部・断熱・エコ設備改修のいずれかが必須ですが、併用する場合は必須不要となります。
また、補助合計5万円以上から申請出来ますが、併用する場合は2万円以上に引き下げられます。
※重複申請はできません。
同じ工事や設備で、複数の事業に重複して申請することはできません。
例えば、エコキュートを子育てエコホーム支援事業と給湯省エネ事業の両方に申請するなど。
4.キャンペーンのデメリットは?
まず、申請者が施工業者等であることです。
申請業務は煩雑を極め、業者のやる気とノウハウで成否が大きく左右されます。
年々審査が厳しくなり、提出書類も増え、特に写真の撮り忘れは後戻りができません。
サービスの一環での無償申請では、ミスが生じたときに業者に責を問うのは難しいかもしれません。
さらに、審査から入金まで時間が掛かることです。
当社の昨年実例では、審査から入金まで3ヶ月程度、6ヶ月掛かったこともあります。
補助金の目減りと入金の遅延など、余裕をもった資金計画が必要です。
5.新築には、補助がないの?
既存住宅の省エネ化が、キャンペーンの目的なので、リフォームが中心となります。
先進的窓リノベ事業は、リフォームのみです。
給湯省エネ事業は、新築でも使えます。
子育てエコホーム支援事業は、子育て世代と若者夫婦世代の省エネ住宅新築で申請可能です。
6.おすすめの補助金活用例を教えて下さい!
住宅の省エネ化に一番の近道は、窓などの開口部の断熱です。
最大200万円補助の「先進的窓リノベ」と、要件ハードルが低い「子育てエコホーム」を上手に組み合わせて下さい。
掃出窓などの大きな開口は窓リノベ、トイレなどの小窓は子育てなど、など。
次に、省エネに大きなウェイトを占めるのが、給湯機です。
エコキュートを設置して、「給湯省エネ事業」で申請して下さい。
補助額が10万円以上と高額。さらに、既存の給湯機次第では撤去費の補助もあります。
最後に、補助対象が多く性能要件が低い、「子育てエコホーム」をフル活用しましょう。
なかでも、対面キッチン化改修には9万円の補助があります。
窓リノベや給湯省エネと併用すると、補助合計2万円から申請可能で、断熱改修などの必須要件もなくなります。
「子育て世代」と「若者夫婦世代」なら、最大60万円まで補助されます。
高額の補助金を誘い文句にする業者も多いこと思います。
申請業務は業者任せとなりますが、ノウハウがないことも多いようです。
慎重な選定を心掛けて下さい。