第115回「春のお彼岸」
こんにちは、西部霊苑です。
お墓参りや季節のことなど、何かのお役にたてる情報を発信していければと思います。
さて今年も早いものであわただしい時期が近づきました。
皆様今年はどのような年をお過ごしでしたでしょうか。
また来年はどのような目標や希望を持たれていらっしゃるのでしょうか。
このような節目にはお墓参りをし、改めて穏やかな気持ちで日々への感謝を感じていただければと思います。
今回は「年始のお墓参りに注意したいこと」についてお話をしていきたいと思います。
お正月にお墓参りは、と抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、お墓参りはお盆や彼岸だけのものではなく、いつお参りしてもよいものです。
通える場所にあるのであれば、出来れば毎日手を合わせるようにするものであるとも聞かれます。
しかしながら現代では自宅とお墓が離れた場所にお住まいの方も多いため、頻繁にお墓参りをすることは難しいものです。
そのような生活であるからこそ、年始にはご先祖様への新年の挨拶、親戚・家族が集うことが出来る場としてお墓参りをして、新しい年の始まりを感じるのもよいのではないでしょうか。
年始のお墓参りに注意したいことしてはいくつかのことがあります。
【宗派・それぞれの家庭での考え方に合わせる】
宗派やそれぞれの家庭の考え方によってはお正月にお墓参りはしないものと考えられることもあります。
そうした考えの場合はもちろんこうした考えに合わせ、和を保ったほうがよいでしょう。
逆にお正月は必ずご先祖様にご挨拶のためにお墓参りすることを決めていらっしゃる場合もあります。
どちらが正しいということはありませんので、お気持ちに沿ってお墓参りされるのがよいでしょう。
【お寺・霊園の開門時間に注意】
お正月は離れて暮らす親戚や家族が集まる時間となることも多く、合わせてご先祖様への新年の挨拶としてお墓参りをされたい方も多くいらっしゃるため、お寺・霊園はこうした方々の受け入れの為に開かれていることが多いかと思います。
しかし冬の時期ということもあり明るい時間は短いです。
お墓参りは日のある時間にするものとされており、お寺の夕方になり日が傾く時間になると門が閉じられます。
冬の時期のお墓参りは時間についても気を配り、お昼の早い時間までに済ませてしまうようにするのがよいでしょう。
【卒塔婆の形】
卒塔婆はストゥーパという仏塔の意味を持つインドの言葉から来ており、元は土を盛り作られるお墓とされているようです。
のちにお寺などでみられる石で組まれた三重塔や五重塔、五輪塔となり、これが現代で簡略化され木製の板に五輪塔を模した側面の切り込みとそれぞれの宗派で大切にされている言葉や梵字が書かれた形となったようです。
また卒塔婆の形にはいくつかの種類があり、広く見られる木板型の板塔婆、木製の四角柱型の角塔婆、小さ目の木板型の経木塔婆や七本塔婆、梢付き塔婆などがあります。
【卒塔婆を立てるタイミング】
卒塔婆を立てることについてはこれ以外にも卒塔婆を建てる、卒塔婆を出す、といった表現がされます。
卒塔婆はお墓の四十九日や一周忌などに合わせ納骨式の際に施主が立てます。
もちろんそれ以外のタイミングで納骨式が行われることもありますが、その場合もそうした納骨式のタイミングで卒塔婆が立てられます。
卒塔婆は主に葬儀などを行った施主が立てますが、これ以外にも個人ごとに立てたり、複数人でまとめて立てても問題はありません。
特に静岡県など一部ではお盆やお彼岸、年末の際にそれぞれが卒塔婆を持参しお墓に立てる風習があるようです。
卒塔婆は立てたその日の功徳なので、その後一周忌や三周忌、お盆やお彼岸、月命日などに合わせて立て直されます。
【ついで参りにならないように】
お墓参りはなにかのついでに、ということでされることはご先祖様に失礼と考えられることもあります。
もちろんお気持ちですので、これも考え方の一つと言えるものですが、このようにご先祖様に対しての敬意を持たれているご家庭などではお正月の他の予定とは分けてされるほうがよいかと思います。
【初詣と日を分ける】
上でお話しましたようにお墓参りが初詣とのついでとなり、失礼ととられないように配慮が必要な場合もあります。
また神社・神道では死を穢れという考えがありますので、こうした神社だけでなくお寺への初詣も含め、お墓参りは日を分けるほうがよい、という考え方もあることは気に留めておいた方がよいでしょう。
いかがでしたか。
それでは次回もよろしくお願いいたします。