第115回「春のお彼岸」
こんにちは、西部霊苑です。
お墓参りや季節のことなど、何かのお役にたてる情報を発信していければと思います。
今回は「卒塔婆について」のお話をしていきたいと思います。
【卒塔婆とは】
卒塔婆とは「そとば・そとうば」と読み、故人の冥福を祈って追善供養のために立てられます。
広くさまざまな仏教の宗派で行われていますが、すべての宗派で行われているわけではなく、浄土真宗では卒塔婆による追善供養は行われていません。
これは浄土真宗では「往生即成仏」という故人は亡くなった後すぐに仏様となるとされているためで、追善供養の必要はないと考えられているためです。
そのため浄土真宗が多い地域では卒塔婆が立てられた風景はなかなか見られないといったことがあります。
浄土真宗は主に西日本で信仰されており、また信仰が広がる地域ではその偏りが高い特徴があるようです。
九州では広く全体的に信仰が集中されている地域が見られ、その他中国、近畿地方では県ごとに浄土真宗が信仰されている方が集中する地域とそれ以外の宗派の方の地域があるようです。
このため卒塔婆がほぼほぼみられないような地域というところがあります。
【追善供養とは】
追善供養とは亡くなった方の冥福を祈り、残された私たちが善い行いをすることを言います。
その一つとして卒塔婆を立てるという供養方法がされています。
【卒塔婆の形】
卒塔婆はストゥーパという仏塔の意味を持つインドの言葉から来ており、元は土を盛り作られるお墓とされているようです。
のちにお寺などでみられる石で組まれた三重塔や五重塔、五輪塔となり、これが現代で簡略化され木製の板に五輪塔を模した側面の切り込みとそれぞれの宗派で大切にされている言葉や梵字が書かれた形となったようです。
また卒塔婆の形にはいくつかの種類があり、広く見られる木板型の板塔婆、木製の四角柱型の角塔婆、小さ目の木板型の経木塔婆や七本塔婆、梢付き塔婆などがあります。
【卒塔婆を立てるタイミング】
卒塔婆を立てることについてはこれ以外にも卒塔婆を建てる、卒塔婆を出す、といった表現がされます。
卒塔婆はお墓の四十九日や一周忌などに合わせ納骨式の際に施主が立てます。
もちろんそれ以外のタイミングで納骨式が行われることもありますが、その場合もそうした納骨式のタイミングで卒塔婆が立てられます。
卒塔婆は主に葬儀などを行った施主が立てますが、これ以外にも個人ごとに立てたり、複数人でまとめて立てても問題はありません。
特に静岡県など一部ではお盆やお彼岸、年末の際にそれぞれが卒塔婆を持参しお墓に立てる風習があるようです。
卒塔婆は立てたその日の功徳なので、その後一周忌や三周忌、お盆やお彼岸、月命日などに合わせて立て直されます。
【卒塔婆の準備】
卒塔婆は宗派などにより書かれる文字、内容に違いがあり、事前に霊園やお寺に必要となる本数と供養する方の名前や命日などを伝え用意してもらいます。
宗派、寺院によっては卒塔婆の木板は自身で事前に用意し、お寺に持参し文字を書いてもらう形がとられることもあります。
京都を中心とした関西でよく用いられる小ぶりな経木塔婆は自分で書きます。
古い卒塔婆は頃合いを見て処分します。
その際にはお寺でお焚き上げしてもらうこともできますが、自分たちで燃えるごみとして処分してもかまわないようです。
いかがでしたか。
それでは次回もよろしくお願いいたします。