第115回「春のお彼岸」
こんにちは、西部霊苑です。
お墓参りや季節のことなど、何かのお役にたてる情報を発信していければと思います。
さて春の日差しを感じる日も多くなってきた3月ですが、この時期の行事としては春のお彼岸です。
今回はこの「彼岸会」についてお話していきたいと思います。
【彼岸会とは】
彼岸会(ひがんえ)とは春分、秋分の日を中日とした前後の3日間の1週間に行われる仏教行事です。
お彼岸という言い方でなじみがある方も多いのではないでしょうか。
春分の日、秋分の日を中心とした1週間ということで彼岸会は春の彼岸、秋の彼岸と年に2回あります。
【春分の日、秋分の日】
春分の日、秋分の日とはそれぞれ「昼と夜の長さが等しくなる日」とされています。
1943年(昭和23年)からは「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨とした国民の休日ともされています。
おおよそ春分の日は3月20日から3月21日ごろ、秋分の日は9月22日から9月23日ごろと若干かわります。
春分の日、秋分の日は毎年国立天文台によって決められます。これは地球の公転の関係で春分点、秋分点が毎年6時間ずつずれているためです。
1年が365日と6時間、4年に一度うるう年があることもこの関係ですね。
仏教的にはこの「昼と夜の長さが等しくなる日」は、仏が住む清らかな国、浄土が西方にあるとされている真西に太陽が沈むこの日を現世と浄土が最も近くなる日と考えられています。
ここから、この世である此岸から彼岸へ渡るために徳を積む期間とされています。
【彼岸会、お彼岸の行事】
私たちに身近なところでお彼岸には先祖供養、お墓参りをするということが一般的です。
特に身内の方が亡くなってからの四十九日の後の初めてのお彼岸は「初彼岸」と言います。
お盆も同じく初盆としてお墓参りをする方も多いと思いますが、初彼岸でも意識をしてお墓参りの機会とするのもよいと思います。
それ以外にも、仏具のお掃除などをこの際に気がけてみるのもよいのではないでしょうか。
お寺でもお彼岸には彼岸法要を行っていることも多く見られます。こうしたことへの参加もよいでしょう。
【牡丹餅、おはぎの違い】
お彼岸のお供えものとしては春の牡丹餅、秋のおはぎがよく知られています。
これらは同じものですが時期によって呼び方が違うだけの場合もあります。
春にお供えするものは牡丹の花に見立てられているので牡丹餅、秋にお供えするものがおはぎと呼ばれているのは、秋の花の萩に見立てているからだそうです。
また使われる小豆が秋に収穫されるため、おはぎは粒あん、牡丹餅はこしあん、ともされることもあります。
小豆の赤い色は魔除けの意味があり、邪気を払うものとしてお供えされていたようです。
いかがでしたか。
春の気配を感じながらお彼岸にはぜひお墓参りでご先祖様に手を合わせに行ってみていただければと思います。
また次回コラムもよろしくお願いいたします。