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コラム
第86回「宗派ごとのお墓の違い」
2021年10月27日
こんにちは、西部霊苑です。
お墓参りや季節のことなど、何かのお役にたてる情報を発信していければと思います。
今回は「宗派ごとのお墓の違い」についてお話していきたいと思います。
【お墓の形に決まりはない】
仏教ではどの宗派でもお墓の形が決められている所はありません。
そのため、自由にお墓の形を選ぶことが出来ます。
最近では一番上に乗った棹石の形もさまざま個性的なものがあり、故人や建立した方などの好みを反映させたお墓も見られます。
しかしながらこれまでと同じような一般的な和型墓石の三段墓(さんだんぼ)という形のものが多くみられることも代わりありません。
この三段墓とは、上から順に棹石(さおいし)、上台、下台からなるものが基本の形となります。
これを基本に下部に遺骨の入った骨壺を納める納骨堂(カロート)や脇に法名を記す墓誌が建てられたりもします。
神道のお墓は棹石の先端が細く四角推になった、角兜巾(かくときん)型になっています。
キリスト教ではお墓は建てなくても問題はないため、特に決まりはありません。
オーソドックスなものとしてプレート型、オルガン型、ストレート型などがあります。
【別の宗派でも同じ家族のお墓に入れる】
日本では宗教の自由が定められているため、自由に信仰する宗教を選ぶことができます。
それに伴い改宗することももちろん自由です。なかには家族間で全員が同じ宗教ではなく、別の宗教、宗派を信仰する方がいる家庭もあるかと思います。
そうした場合も宗派を超えて同じお墓に入ることは出来ますので、よほどこだわりがない限り宗派が違うのでその方だけ別にお墓を建てなければならない、ということはないかと思います。
仏教の宗派の違いにおいては、宗派はちがえど根本の信じる所、考えは同じなのでお墓も同じで問題ないとされるのかと思います。
【利用している墓地が宗派不問か注意】
お寺が管理する墓地などでは、墓地はそのお寺の宗派の信者しか利用できない、とされているところもあります。
お寺によっては、管理するお墓に対して供養のための法要もあわせて行う所もあります。
もちろんお寺であっても宗派不問としているところもありますので、一概ではないということを理解しておいたがよいでしょう。
【宗派ごとの棹石の文字】
形状に違いはありませんが、仏教の宗派ごとに棹石の正面に掘る文字、お題目には宗派ごとの違いがみられます。
主だった宗派ごとに見ていくと、それぞれに
・天台宗 南無阿弥陀仏 または 釈迦如来か阿弥陀如来を表す梵字
・真言宗 南無大師遍照金剛 または 大日如来を表す梵字と〇〇家之墓
・浄土宗 南無阿弥陀仏 または 阿弥陀如来を表す梵字と〇〇家之墓
・浄土真宗 南無阿弥陀仏 または 俱会一処(くえいっしょ)
・時宗 南無阿弥陀佛 または 〇〇家之墓
・日蓮宗 髭題目(ひげだいもく)と言う書体で南無妙法蓮華経 または 南無妙法蓮華経と〇〇家
・曹洞宗 旧字体で円相と言われる丸い輪と〇〇家先祖代々之墓
・臨済宗 南無釈迦牟尼仏 または 円相と言われる丸い輪と〇〇家之墓
・神道 ○○家奥都城(おくつき) または ○○家之墓
などとなっています。もちろん各宗派によっても他にも違いはあります。
しかしこの棹石の文字についてももちろん自由であり、故人の好んでいた文字などを入れる場合もあります。
いかがでしたか。
それでは次回コラムもよろしくお願いします。
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