子犬の噛み癖のしつけについて
新型コロナウイルス感染症が国内で確認されてから1年が経とうとしておりますが、未だ治まるどころか第3派の真っ只中であります。昨年度末にはまさか1年後の世の中がこのような惨憺たる状況に陥ろうとは誰が予想したでしょうか。
感染症の歴史は古くは天然痘やペスト、ほぼ100年前のスペインかぜとよばれた新型インフルエンザなどは4000万人が死亡したとされています(当時の世界人口18億人)。現在世界を混沌に貶めている新型コロナウイルス感染症は世界における死亡者数は、最初の発生から約1年で約175万人(12/28時点)となっています。
175万人という数字は大変な数ではありますが、割合にするとスペインかぜの 4000万/18億 = 1/45 に対し、新型コロナウイルス感染症は 175万/77億 = 1/440 となり、死亡者の割合は実にスペインかぜの1/10に押さえ込まれてるということも言えようかと思います(毒性を同程度と仮定した場合)。日本においては 3300/1.2億 = 約1/40000 となり、死亡者の割合はスペインかぜの約1/1000の割合になります。100年前とは大きく異なり世界中へ人が移動可能な現代において、この数字はひとえに西洋医学や微生物学、公衆衛生学やその他の研究者達の膨大なる研究の積み重ねと、治療にあたられている医師・看護師の敬仰されるべき成果であると考えます。
しかしながら、現代の化学を持ってしても175万人が亡くなってしまう恐ろしい病気ということもいえます。
我々獣医師は獣医師免許を取得するために、大学時代に外科・内科などの病気の勉強以外にも微生物学、ウイルス学、伝染病学、公衆衛生学、衛生学といった学問を、一つにつき90分×約15日?×(前・後期+実習)×2学年= 約135時間ほど? 授業があります。一つの学問につき大体1000頁近い教科書を2冊分ほど丸暗記するレベルです。そのうえでさらに勉強し試験を受け全ての単位(総科目数は98)を取得できると、そこではじめて獣医師国家試験の受験資格を得ることができます。
・「3密」の回避 ・手洗い、消毒 ・咳エチケット(マスク)による予防
この3つがはたして正しいのかどうかは、前述程度の知識しか無い私にはわかりませんが最低限度必要なことであると思います。私自身は今年のお正月にワクチンを接種していたにもかかわらずインフルエンザにかかってしまいました。発症前1週間は自宅前のコンビニ以外には外出はしていませんでした。私以外の家族はかかっていないため、恐らく診察中の患者様からの感染しか考えられません。昨年末はマスクは皆していませんでしたが、上記3つで絶対に感染を防ぐことは難しいのかもしれません。完璧な正解の対策はもっともっと後になって確立されることだと思います。しかしながら今年度のインフルエンザの患者数が激減しているといった報告もあるようですので、病原体の種類によっては確実に効果はあるものと考えます。
今我々にできることは、専門の研究者達が何百万人も何十年もかけて、莫大な時間と労力と情熱をもって研究してきた西洋医学の積み重ねの結果であるこの3つの対策を信じ、ただ実践することで死亡者数の割合をスペインかぜの1/1000よりももっと少なくすることができるのだと思っています。
私自身は基礎疾患もなく仮に感染してしまったとしても重症化する可能性は少ないと思います。しかしながら私にはごく身近にハイリスク者がいます。これをお読みいただいている方にもハイリスク者のご家族やご友人がいることと思います。
また一方で経済死のリスクも懸念されます。どちらがということは無くももちろんどちらも重要だと思います。現時点で正解がわかる人はおらず、テレビのタレントコメンテーター達の言うことは全く聴く価値すらありません。やはり研究者達がこれから将来の回顧的研究でより良い対策を導き出すのだと思います。
それぞれができることを真摯に精一杯頑張って、この難局を乗り切りましょう。
前置きが長くなってしまいましたが、以下が3月末より順に実施しております当院の新型コロナウイルス感染症予防対策になります。
①院内はお一人でお願いしています。受付後呼び出しベルをお渡ししますので、お車でお越しの方は車内で、徒歩の方はテラスでお待ちいただいております。
②待合は密を避ける目的で、呼び出しベルが鳴った次の診察順の患者様と、処置中もしくは会計待ちの方、診察無しの薬やフードのみで来院の方のみとさせていただいております。
③受付は飛沫防止の目的で、全面ビニールで防御しております。
④待合室の床はわんちゃんが歩いた足で飼い主様に抱っこされたりするため、薬品消毒が可能な特種コーティングを施行し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液やペルオキソ一硫酸水素カリウム配合剤、イソプロパノール消毒液を用いこまめに消毒をしております。
⑤徒歩で来院された患者様にお待ちいただくために、テラスを整備し直しました。
夏は暑く冬は寒いですが、何卒ご理解ご協力のほどお願いいたします。
⑥診察室・待合室は換気のために常に窓を開け放っています。またスタッフは必ずマスク着用し、定期的な体温測定を行っております。 (※猫には使えないようです。)
⑦健康診断の結果説明を対面ではなく、郵送でおこなっております。
緊急性の無い健康診断血液検査などは、できるだけ対面の説明を避けるために検査項目の説明と結果に対するコメントを別途記載し郵送いたしております。ご不明点などございましたらばお問い合わせください。
⑧狂犬病注射のみの患者様は病院前駐車場に獣医師が出向き、接種を行っております。
詳しくはこちらをご覧ください。
(重要) 長崎市の狂犬病集合注射の中止に伴う病院接種の当院の対応について
長崎市狂犬病集合注射中止に伴う病院注射を、密回避と時間短縮を行うために診療順を飛ばして速やかに接種を行っております。
(※狂犬病注射のみの患者様に限ります。別にフィラリア症検査などをご希望の場合は通常通りにお待ちいただきます)
⑨常用薬の郵送対応を行っております。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いまして、日本獣医師会より2020年4月14日付けで通達がありました。
PDF「緊急事態宣言」の発出に伴う外出自粛要請の期間中における小動物診療施設等の対応に係る留意事項について
これにより人と人との接触を削減する目的で継続のお薬の郵送が可能になりましたため、実施いたします(市内翌日着)。また療法食の郵送も開始しました。詳しくはこちらをご覧ください。
(重要) 継続の薬の郵送対応の開始について
なおこの通達は、あくまでも「緊急事態宣言」に伴う外出自粛要請の期間中を前提としております時限的な措置であること、獣医師が自ら定期的に飼育動物の健康状態を把握している場合等において、飼育者から病状の聴取等をもって診察と見なすことができるということが前提となります。そのため、一部のテレビの情報番組等で放送されていたような初診でテレビ電話等でのオンライン診療とお薬の郵送は獣医師法および薬事法違反となる可能性があるため、対応はできません。また、今年度フィラリア検査を実施していない場合のフィラリア薬の処方も当院ではできませんので、ご了承ください。
⑩ペットホテルのお預かりを4月13日より全面休止しております。
これは当院でお預かりをする患者様の場合、県外移動(主に関東圏、関西圏、福岡、海外)の割合が非常に多いための感染予防対策の一環としてご了承ください。
また現在外来診療が大変忙しく、人的問題もあるため再開時期は現状未定となっております。大都市圏の感染状況や自粛解除の動向により、再開を検討いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
よろしければ感染症対策の裏話もこちらからどうぞ。