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早期発見、早期治療でペットの健康を守る動物のお医者さん

ペットとオーナーの絆を深める獣医療のプロ

青木紘

静かな中にも、動物に対する愛情が溢れる青木先生。ブログには先生の率直な言葉が並び、読み応えがある
オーナーへのインフォームドコンセントに力を入れる青木先生は、すべてのデータを丁寧に説明してくれる

#chapter1

多くの病気を発見できようになり寿命が延びた今、6歳を過ぎたらペットの定期検診を

 「ペットがペット以上の存在となった現代、医療の質も人間同様のレベルが求められるようになっています。当方では獣医学書の一般的な治療はもちろん、検査データ、治験データ、海外論文や、人医療の論文などに基づいての治療を目指しています」と話すのは、動物病院「平野町ペットクリニック」院長の青木紘さん。

 長崎大学医学部のキャンパスや大学病院、アンセムが鳴り響く浦上天主堂にもほど近い閑静な住宅街。白い外観とトーンをあわせた明るく清潔感にあふれた院内には、防音や室内運動場を備えた入院施設のほか、レントゲンや検査機器、処置機器といった医療機器を完備しています。

「獣医療の検査技術が発達して、人間とほぼ同様の検査までできるようになってきました。そのため、昔は見逃されていた病気を発見できるケースが増えています。人間と同じで寿命が延びた分、ペットがかかる病気も多くなっています」と青木さん。早期発見・早期治療が可能になっている獣医療の現場で、常に心がけていることがあるそうです。

「犬や猫は話ができないですし、彼らの本能から診察室では弱いところを見せないように症状を隠してしまうことがあります。他の動物がいる病院では緊張して虚勢を張っているんでしょうね。そのため、できる限り家族の方とお話をさせていただいて、ご自宅での症状や様子を教えてもらい病気を見落とさないようにしています」

 動物が発する異変のサインに気づいてあげられるのはオーナー(飼い主)だけ。病院と家庭との連携が愛するペットを守るために必要だと言います。

「定期検診もできれば受けてほしいですね。6歳を過ぎたら、少なくとも年に1回。それがペットの健康維持につながります」と青木さん。 

#chapter2

常に新しい技術や知識を習得するために学会や研究会に参加

 ゆっくりと言葉を選んで話す様子から、動物とオーナーに対する思いやりが感じられる青木さん。獣医を志すきっかけは、子どもの頃のある出来事だったとか。
「小学5年生の頃、親に頼み込んで犬を飼ってもらったのですが、すぐに3週間入院して、死んでしまって…すごく悲しかった記憶があります。その体験が獣医を目指すきっかけの一つになりました」

 小さな命を守れなかった後悔は、青木さんの中にずっと残りました。だからこそ、動物の健康を守り、少しでもオーナーの心配や不安が和らぐように最善を尽くしたいと話します。

「いまや、子どもの数よりも多くなったといわれるペットはまさに家族の一員と言えます。飼い主の方々は惜しみない愛情を注ぎ、末永く健康であることを望んでいることでしょう」

 青木さんは技術をアップデートするために、忙しい診療の合間を縫うように各種学会や研究会へ出席。新しい知識や情報の収集に努めています。
「必要な検査を行い、確定診断の上で治療をしていくというのが近年の獣医療です。僕らには検査と、その“データに基づいた”治療が求められています」と青木さん。新たな取り組みとして、循環器(心臓)専門診療を非常勤の獣医師を招いて開始しています。

「当院では心臓疾患に特に力を入れていますが、獣医療はさまざまな得意分野を持った先生がいらっしゃいますので『患者さんのためになる』と判断した時は、積極的に紹介するようにしています」

動物好きの動物看護士さんが明るく出迎えてくれる受付。先生の奥様も獣医師。副院長としてサポートしている

#chapter3

動物と暮らしていくために必要な心構えなどについてもサポート

 「動物、オーナーにとって有益なことならば、損得勘定抜きにして動いてしまう」と笑顔を見せる青木さん。クリニックと同時に開業したペットホテルもまた、動物とオーナーへの配慮が行き届いた施設になっています。

「ペットはオーナーさんにとって大切なわが子のようなもの。動物にとっても慣れない環境でストレスを感じるでしょうから、そのケアにも気を配っています」

 イメージは子どもの“お泊まり保育”だと言います。食事、空調、運動など、できるだけストレスを軽減できる環境を整え、ペットとオーナー両方の満足度を高めようとしています。

「僕自身、大切なペットを失った経験からこの仕事に就きました。オーナーさんへのアドバイスやケアも僕たちの重要な仕事だと考えています」

 病院とホテルを運営し、動物とオーナーの健やかな日々を支える青木さん。ペットが健康に暮らすために、オーナーにはやるべきことはたくさんあります。飼育環境を整え、健康管理を行うほかにしつけやマナーも求められます。青木さんは愛情をもって、動物と暮らすことの責任と心構え、意識の持ち方についてもサポートしてくれます。

(取材年月:2018年12月)

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専門家プロフィール

青木紘

ペットとオーナーの絆を深める獣医療のプロ

青木紘プロ

獣医師

平野町ペットクリニック

インフォームドコンセント(患者様と状態や検査内容について充分に話し合い治療方針を決めること)を大切にしています。また 非常勤獣医師による循環器(心臓)専門診療を実施しています。

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