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青木紘

ペットとオーナーの絆を深める獣医療のプロ

青木紘(あおきひろし) / 獣医師

平野町ペットクリニック

コラム

熱中症に注意しましょう

2013年8月24日 公開 / 2016年3月18日更新

テーマ:長崎の動物病院

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 熱中症 対処熱中症 予防

初めまして、そして宜しくお願い致します。
不定期ではありますが、わんちゃん・ねこちゃんの病気について書いていこうと思います。

今回は「熱中症」についてです。

8月も後半にさしかかっていますが、まだまだ暑い日が続いていますね。
今年も熱中症の患者様がかつぎこまれてきています。
幸いに今年の患者様は、全て発見が早かったため全員無事に助かっていますが、
熱中症は亡くなってしまう病気の一つです。

毎年何人かは治療しても亡くなってしまったり、もしくはお留守番をしていて、
帰宅したら亡くなっていた、、、という報告もよくあります。

炎天下のアスファルトのお散歩は、膝の高さ(ちょうどわんちゃんの頭の高さ)が、60℃くらいになることもあります。
5分お散歩をしただけで熱中症になり、そのまま亡くなってしまうということもあります。

症状は、まずパンティング(ハァハァする粗い息づかい)が増え、その後起立不能となり、
その後意識が消失し、嘔吐・血便をし亡くなります。
体温は時に43度以上にもなってしまうこともあります。
意識レベルが低下してしまっている状態はすでに脳浮腫や、内臓への障害も
起こってしまっている可能性があり、死亡率も高くなります。
直ちに治療を開始し正常体温まで回復したとしても、DIC(血液が固まらなくなる状態)になり、
亡くなってしまう場合もあります。

非常に恐ろしい病気の一つです。

熱中症は治療よりもまず予防、なにより危険性のある状態にしないことが最も重要です。

・真夏の炎天下のお散歩は絶対にしない。
・車内の放置(実際によくあります)などは問題外。
・大型犬の子、肥満体の子、短頭種の子、高齢の子は特に注意(猫ちゃんも)
・夏場は脱水にならないよう、常に清潔なお水を用意する。
・お留守番中、室温が高くならないように考慮する。
※エアコンは必要ですが、締め切ってクーラーをつけて外出し何かの拍子(停電など)にエアコンが止まってしまい帰宅したら亡くなっていたということも実際にあります。そのため、万が一エアコンが止まってしまったとしても風通しがあり、サウナ状態にならないようにする配慮が必要。

最近ではわんちゃん、ネコちゃん用の熱中症防止グッズなども沢山ありますので、そういったグッズを活用するのも良いと思います。

くれぐれも気をつけましょう。

それでは、お大事になさって下さい。

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青木紘

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青木紘(平野町ペットクリニック)

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