「読解ロジック」問題の答
論理的思考力を高めるトレーニングの一つに「比べる」練習があります。たとえばバスとトラックの共通点と相違点を考えてみましょう。共通点を単に「車」と答える子もいますが、乗用車とは違うバスとトラックならではの共通点を挙げたいところです。「大きい車」が模範解答ですね。
相違点の答え方にもセンスが問われます。「バスはバス停に停まるがトラックは停まらない」...確かにそうですが、うまく比べているとは言えません。「バスはたくさんの人が乗るが、トラックは運転手しか乗らない」...よくなってきましたが、ちょっとピント外れですね。もっと本質的な、それぞれの役割の違いを意識した答がほしいです。一番いい答は「バスは人を運ぶが、トラックは荷物を運ぶ」でしょう...。相違点ではありますが、「運ぶ」は共通ですね。このように比べることで、相違点である「人」と「荷物」がより際立つわけです。
次にバスとタクシーを比べてみます。今度は両者の相違点だけに絞りますが、様々な観点からの比較をしてみましょう。1文目でバスの特徴を述べ、「これに対して」「一方」などで始まる2文目でタクシーの方を述べます。たとえば観点が「乗り降りできる場所」の場合、「バスはバス停でしか乗り降りできない。これに対してタクシーはどこでも乗り降りできる」となります。観点を「料金」や「一度に乗れる人数」「利用できる時間」など、いろいろ変えて比べることができますね。
これをさらに発展させると、自分の意見を述べる文章を書く練習になります。たとえば給食と弁当のどちらがいいか...。自分が指示する方を明確に示した上で、その根拠を挙げてください。もう一方の長所にも敢えて言及する「譲歩」というテクニックも身につけましょう。基本的なパターンをマスターすれば、いくらでも応用が利きます。給食を支持する場合の例はこうなります。「~」の部分を考えてみてください。
私は給食の方がいいと思う。確かに弁当なら~。しかし、給食なら~。
だから、私は給食を支持する。
大学入試改革を見すえ、長野県の高校入試でも自分の意見を述べる形式の問題が増えてきています。小学生のうちから記述力を高めたいと思っています。