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○○とは何ですか?

小林良行

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小学生用の算数(国語ではありません)の教材に、用語を説明させる問題が出てきます。たとえば「たし算」とは何か...。これ、生徒たちは結構とまどっています。もちろんたし算は知っているものの、いざ言葉で説明しようとなると難しいようです。多いのは「数をたすこと」という表現。「たし算」の説明で「たす」という言葉を使うのはルール違反なので、他の言い方に直させます。たとえば「合わせる」。それより大事なのは最後の「こと」です。数をたす行為そのものを「たし算」というわけではありません。「算」なのですから終わりもそれに合わせるべきです。模範解答は「数と数を合わせる計算」ですね...。

同様に、「m(メートル)」は「単位」、「四角形」は「形」あるいは「図形」で終わっていなければなりません。ここを厳密に押さえることで理解が深まるのです。では、もう一題。「長方形」とは何ですか?小学生も中学生も、自分なりに説明を書いてみてください。何となくはわかっていても、説明しろと言われると困るのでは...?いかに理解がいい加減だったか、身に染みる人もいるはずです。

これはもちろん、算数・数学だけに限った話ではありません。社会でも理科でも、用語の定義を正確にわかっているかどうかで理解の深さが異なります。今後、大学入試でも高校入試でも記述式が増えて行く流れの中、きわめて重要なポイントであることは間違いありません。「朝廷」とは何ですか?「溶解度」とは何ですか?口で言うのではなく、書いてみてください。中3でもおそらく8割の生徒は正確に書けないのではないでしょうか。逆に言えば、そこを完璧にすれば成績も上がるということですね...。

国語の力で言えば、これは要約力の第一歩です。2~3文の短い文章を読み、何についての話なのか一言で答えさせたり、「○○とは何か」を書かせたり...。徐々に文章を長くしていき、タイトルを何と付けるか、30字以内で要約するならどう書くか、100字以内ならどうまとめるか...。そんな教材がかなりできあがってきました。生徒の国語力に合わせて、できた所から解かせています。現在は小学生から使えるように、その前段階(語彙、主述関係、指示語など)の問題を体系化しているところです。生徒の反応も見ながら少しずつ与えていく予定です。お楽しみに...。

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小林良行
専門家

小林良行(塾講師)

思考道場 楠塾 

「教わったことしかできない」のでなく、自分で考える力を養い、応用して問題を解決していける子どもの指導育成に強み。

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