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子どもたちの国語力が危ない!

小林良行

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 最近話題に上ることが多いAI(人工知能)。囲碁の世界王者に勝ったり、将来人間の仕事の大半が奪われると予測されたりしています。そんなAIの研究・開発に携わる国立情報学研究所の新井紀子教授が、日経新聞で気になる報告をされていました。
 東大合格を目指すAI「東ロボくん」に昨年のセンター試験模試を受けさせたところ、上位2割に入る成績を残したそうです。ところが、AIの言語理解能力はまだきわめて低いとのこと。いわゆる「てにをは」の正確な認識もあやしいようです。にもかかわらず上位に入るのはおかしいと思い、中高生の読解力を調べた結果、ショッキングな事実が明らかになりました。
 地理の教科書から作成した選択問題で、中学生の47%が不正解だったというのです。実際の問題と結果はこちら...。



 決して難しい問題とは言えないと思います。普通の国語力があれば、小学生でもできる問題です。これでは社会の成績が上がるわけがありませんね...。
 教科書をきちんと読めていない子どもがいかに多いか、日々の指導の中で私も痛感していたことです。今回の調査に協力した教育委員会や校長もショックを受けているようです。AIと同じ程度の浅い読み方しかできていなければ、それこそやがて人間がAIに仕事を奪われる日が来るのは必然ではないでしょうか...。
 大学生の国語力低下が指摘される中、入試制度も変わろうとしています。ただ、現状では高校生から対策を練っても遅いと言わざるを得ません。中学生、できれば小学生の頃から、確実な国語力を養成する必要があります。茶の間に新聞や本はありますか?親は本を読んでいますか?子どもが大人と会話する時間は多いですか...?家庭も学校も、そして塾も本気で取り組んでいくべき問題だと考えています。

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専門家

小林良行(塾講師)

思考道場 楠塾 

「教わったことしかできない」のでなく、自分で考える力を養い、応用して問題を解決していける子どもの指導育成に強み。

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